20代若手の転職はリスク?実体験と転職するための面接対策

「入社して3年未満の転職は不利になる」「20代若手の転職はリスクが大きい」こういった意見を聞いてしまうと、20代の若いうちに転職することに大きな不安を抱いてしまいますよね。

しかし一方では、「転職では若いほうが有利だよ」という意見もあり…、一体どっちが正しい意見なのか、混乱してしまう人もいるでしょう。

そこで今回は、「20代若手で転職することはリスクなのか?」という点について、経験談とともに検証をしていきます。「転職を検討すべき人とそうでない人の特徴」なども説明していきますので、現在20代で転職に不安を感じている人はぜひ参考にしてくださいね。

20代の若手が転職するのはリスク?経験談とともに検証

「20代の若手で転職」というのは本当にリスクが高いことなのでしょうか。

たしかに、デメリットが全くないわけではありません。入社して短期間で転職する場合は、その部分を面接で厳しく追求されることもあるでしょう。しかし、20代若手の転職には「デメリットを上回るメリット」があるのも事実ですよ。

そこで、「20代での転職が有利に働く理由」と、「早期の退職がデメリットにつながる部分」をそれぞれ見ていきましょう。過去に転職した先輩や、採用担当者の経験談を交えながら説明していきますね。

20代の転職は実は有利に働く可能性大

まずは、「20代での転職が実は有利に働く理由」を3つご紹介します。なぜ最初にこのテーマに触れるのかというと、20代の若手が転職市場でどう評価されているのかを知ることで「今、転職すべきかどうか」を自分で判断できるようになるからです。

「転職は若いほうが有利」「若手の転職にはリスクがある」このどちらの意見も実は正しいもので、最終的にはメリット・デメリットの両面を受け入れて転職活動を進めることが大切になります。

そのために、まずは「20代若手はなぜ転職で有利なのか?」というメリットの部分をしっかり理解しておきましょう。

<20代の転職が実は有利に働く3つの理由>
①:若ければ「ポテンシャル」で採用される
②:第二新卒ならではの強みがある
③:本当にリスクが高いのは、30代・40代になってからの転職

20代の転職が有利な理由はこの3点です。これを知っておくことで、「面接で自分をどうアピールするのが効果的なのか」についても考えられるようになりますよ。

それでは、一つずつ分けて説明していきます。

理由①:若ければ「ポテンシャル」で採用される

20代若手の採用は「ポテンシャル採用」であり、つまりその人の「潜在能力」や「今後の将来性」といった部分に価値を感じて企業は内定を出しています。

この点が、「20代の転職は有利」といえる最大の理由ですよ。

ポテンシャル採用は、「人間的な資質」や「今後の可能性」を重視する採用方式です。言い換えれば、現時点での業務知識やスキルはそこまで高いものは求められていません。
そのため、転職者の目線でいえば、経験・スキルがない未経験の分野でも十分にチャンスがあるということですね。

30代、40代になってから「新しい業界にチャレンジしたい」と思い立っても、なかなか難しいのが現実。
30代の転職者で「面接ではどんなスキルを持っているのかばかり聞かれた」という経験談もあり、「もっと若いうちにチャレンジしておけばよかった…」なんて人も実際に多いですよ。

このように、年齢が若ければポテンシャルの部分で勝負ができるは大きなメリットですね。

理由②:第二新卒ならではの強みがある

大学を卒業後、就職してまだ1〜3年の第二新卒だからこその「強み」もあります。

新卒と比べると、第二新卒には「卒業まで待たずにすぐに働ける」「基本的ビジネスマナーは身につけているため、その分の教育コストが省ける」「キャリアの長い中途採用よりも柔軟性がある」などの特徴があるのです。

このような点で、企業側にとっても第二新卒を採用するメリットは大きいのです。「新卒は採用コストもかかるし、すぐに辞めてしまう人も多い。その点をクリアしている第二新卒者を積極的に受け入れている」という採用担当者の話も聞いたことがあります。

この点も、20代の若いうちの転職が実は有利である理由の一つですね。

理由③:本当にリスクが高いのは、30代・40代になってからの転職

「20代の若手で転職するのはリスクだ!」という意見もあるかもしれませんが、本当にリスクが高いのは、30代・40代になってからの転職ですよ。

なぜなら、「最初の転職で納得のいく企業に就職できる」とは限らないからです。多くの場合、1社だけの転職で理想の企業へたどり着くことは難しく、入社してから「思っていたのと違う…」と感じてしまうことも珍しくありません。

そんな場合でも、20代の若手なら、ある程度短期間で次の職場を見つけることも可能です。先ほど説明したように20代はポテンシャルで評価されやすいので、「年齢が若い」というだけでも圧倒的に有利に転職を進められますよ。

一方、30代・40代ではどうでしょうか。20代とは違って、業務スキルやこれまでの「実績」をしっかりと見られるでしょう。さらに、プライベートでも結婚していて子どもがいたり、住宅ローンを抱えていたりと、いろいろとお金がかかる年代でもありますよね。

こういった部分を考えると、「リスク」という観点でみれば、20代よりも30代・40代のほうがより慎重に行動すべきといえるでしょう。

ただし入社3年未満の退社はデメリットもあるので注意

ここまで、20代の転職は有利である「メリット」の部分について説明してきました。しかし、最初に説明したように入社3年未満の退社には「デメリット」の面もあるので、そちらも確認しておきましょう。

20代若手で転職する、代表的なデメリットには次のようなものがあります。

<入社3年未満に退社するデメリット>
・面接官によっては「忍耐力がない」と評価される
・即戦力が欲しい企業の場合、3年未満は「経験不足」と判断される
・会社の規定によっては退職金がもらえない
・1年未満の退職では「失業手当」がもらえない

3年未満の退職でとくに心配になるのは、「面接で忍耐力がないと思われてしまうのでは…」という部分ではありませんか?

たしかに、そう評価されてしまう場面もあるのは事実ですが、大切なのは「辞めた理由」と「転職の目的」です。この2つが明確に回答できて、かつ「前向きさ」を感じられる内容であれば、それほど心配する必要はありませんよ。

もう一つ、「お金」の部分も注意しておきましょう。まず退職金については、会社ごとの規定によって「最低勤続年数」が設けられていることもあるので、短期間での勤続では退職金がもらえないこともあります。

そして国から支給される「失業手当」についても「12ヶ月以上の雇用保険の加入期間」が必要になるので、それ未満の退職では受け取ることができません。

入社3年未満の退職にはこういったデメリットも考えられるので、それぞれ事前の準備が欠かせませんよ。

20代の若手転職を検討すべき人、転職しないほうが良い人の特徴

20代の若手で転職を思い立ったとき、そのまま「転職を検討すべき人」と、「転職しないほうが良い人」の2つのパターンがあります。

「転職しないほうが良い人」がいる理由は、先ほど説明したように、入社3年未満の退職にはデメリットもあるからです。つまり、転職は若い人のほうが有利なのは間違いありませんが、安易に転職してしまうことは今後のキャリアにマイナスな影響を与えてしまう可能性があります。

そこで、ご自身が転職を検討すべきのか、もしくはまだ転職しないほうが良いのか、今の時点で考えておきましょう。その判断材料として、ここでは「転職を検討すべき人の特徴」と「転職しないほうが良い人の特徴」をそれぞれ紹介していきますね。

若手転職を検討すべき人の特徴

まずは、若手転職を検討すべき人の特徴を3つ紹介します。この特徴に該当する人は、今の職場で働き続けることが大きな損失となる可能性が高いので注意が必要ですよ。

<若手転職を検討すべき人の特徴>
・働きたい業界や職種、目標などが明確
・今の職場で「成長」を感じることができない
・ブラック企業で働いている

まず、現時点で次に転職したい業界や職種が明確に考えられている人は、なるべく早くに転職に動き出すべきです。
次の目標が決まっているのに、今の職場でダラダラと働くのは時間がもったいないですよね。

それと併せて、今の職場で「成長した実感」を感じられていない人も、転職を検討すべきです。入社して半年、1年経っても自分の成長を感じられないのであれば、おそらくこの先も同じです。「年齢だけ重ねて、知識やスキルが伴っていない」という状態は絶対に避けたいですよね。

そして今、「ブラック企業」で働いている人もなるべく早くに転職を考えましょう。そのまま働き続けて、もしも体や心を壊してしまったら、それこそ転職が難しくなってしまいますよ。

まずはこの3点が、20代の若手でも転職を検討すべき人の特徴です。

若手転職をしないほうが良い人の特徴

続いて、転職をしないほうが良い人の特徴を3つ紹介します。これらの特徴に該当する場合は「転職の失敗」を招きやすいので、転職のスタートを切る前に今後のキャリアについてもう一度よく考える必要がありますよ。

<若手転職をしないほうが良い人の特徴>
・単純に違う仕事を経験してみたいだけ
・転職のリスクを理解していない
・貯金が生活費の3ヶ月分以下

転職の理由で意外にも多いのが、「別の仕事を経験してみたい」という理由です。しかし、転職は良い面ばかりではありません。しっかりと自分の考えを整理してから動き出すことが大切で、軽い気持ちで転職することは大きな後悔にもつながりかねませんよ。

その上で、「転職のリスク」もしっかり理解しておきましょう。とくにつまづきやすいのがお金の部分。なるべく今の仕事を続けながら次の就職先を見つけることがベストですが、退職してから転職活動を始める場合には、「3ヶ月分の生活費」は最低でも貯金しておきたいところです。

もしもここで挙げたようなポイントに当てはまるのなら、転職に動き出す前にやるべきことがあるはず。自分の考えや置かれている状況をもう一度整理して、「今すぐ転職すべきかどうか」をよく検討してくださいね。

20代の若手転職は「キャリア」の意識が重要

20代若手で転職を考えるときは、今後の「キャリア」をどれだけ意識できるかが重要です。たとえ60歳で定年を迎えると考えても、今25歳の人はあと「35年」、30歳の人ならあと「30年」の仕事人生が続いていくわけです。

その膨大な期間について、20代のなるべく早いうちから意識しておくことはとても大切なことですよ。
「これからどんなキャリアを歩んでいきたいのか?」自分のキャリアは自分自身で設計して、その上で「いつ転職に動き出すのがベストなのか」、タイミングを見極めていきましょう。

若手転職者に対して採用担当者が重視している3つのポイント

若手転職を検討すべき人、転職しないほうが良い人の特徴がわかったところで、「若手転職者に対して採用担当者が重視しているポイント」についても触れておきます。

なぜなら、「キャリアが豊富な中堅社員の採用」と「第二新卒などの若手の採用」では、面接官が重視しているポイントに違いがあるからです。この点が理解できていないと、面接官が求めているポイントとはズレたアピールをしてしまう場合もあるので確実に押さえておきましょう。

<若手転職者に対して採用担当者が重視している3つのポイント>
・基本的なビジネスマナー
・活躍を見込めるポテンシャルがあるか
・入社の本気度

採用担当者が何を重視しているのかを知ることで、「質問の意図」を汲み取りながら回答できるでしょう。つまり、面接で有利な立ち回りができるということです。

それでは、20代若手はどんな部分が重視されているのか、一つずつ説明していきます。

基本的なビジネスマナー

20代若手の転職者でも、「基本的なビジネスマナーが身についているかどうか」はよく見られるポイントです。一度就業経験がある分、この点は新卒以上に厳しくチェックされると考えましょう。

ビジネスの場で通用する言葉遣いや電話対応、ホウレンソウがしっかり身についているだけでも、採用する側にとっては大きなメリットです。その反対に、短期間でも社会経験があるにもかかわらず、ビジネスマナーが全く身についていなければ、面接官は内定を出すことに不安を感じてしまいますよね。

選考中も企業とのやりとりがある際には、社会人としての対応をしっかり押さえておいてくださいね。

活躍を見込めるポテンシャルがあるか

「20代の転職が実は有利に働く理由」の部分でも、若ければ「ポテンシャル」で採用されるという説明をしましたね。もう一度おさらいしておくと、その人の「潜在能力」や「今後の将来性」に価値を感じて、企業は若い人材を採用しています。

それでは、潜在能力や将来性をどう伝えれば良いのか。おすすめの方法としては、「前職の実績」と「将来の展望」を面接官にアピールすることです。

「前職の実績」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、20代の若手に大きな実績は求められていないので安心して大丈夫ですよ。「仕事の中でどういう工夫をして、それによってどんな成果を挙げられたのか?」という部分を、小さな成果でも構わないので自信を持って伝えましょう。

そして「将来の展望」として、入社後にどう会社に貢献していきたいのかもアピールしていきましょう。それが自分自身の強みやこれまでの実績とつながる内容であれば、より説得力を持たせることができるでしょう。

入社の本気度

「入社の本気度」も、若手転職者に対して採用担当者が重視しているポイントです。「内定を出しても、まだすぐ辞めてしまうんじゃないか」という面接官の不安を取り払うには、どれだけ本気で入社を考えているのかがしっかり伝わらないといけませんね。

この入社の本気度ですが、「とにかく頑張ります!」という内容では当然伝わりません。先ほどの「将来の展望」と併せて、どれだけ企業のことを調べてきたのか、どんな手段で企業研究を行なってきたのかが、入社への熱意を伝える上でとても大切ですよ。

つまり、同業他社との比較や職場見学を行うなどの「企業研究の深さ」が、入社の本気度につながっていることを理解しておきましょう。

若手の転職者は「熱意」「前職の実績」「将来の展望」をアピール

ここまでの話をまとめると、20代若手の転職者は「熱意」「前職の実績」「将来の展望」の3つを重点的にアピールするのがおすすめです。

それ以外には、面接中の受け答えから判断できる「コミュニケーション能力」も、その人のポテンシャルとして見られる要素です。「熱意」「前職の実績」「将来の展望」の3点を自分の言葉でしっかり伝えるためにも、面接対策も欠かさずにやっておくようにしてくださいね。

まとめ

本記事のポイントのまとめです。

  • 20代若手の転職が有利である理由は3つです。「若ければポテンシャルで採用される」「第二新卒ならではの強みがある」「本当にリスクが高いのは、30代・40代になってからの転職」
  • ただし、入社3年未満の退社は「忍耐力がない」と評価される場合や、「退職金がもらえない」などのデメリットもあります。
  • 若手でも転職を検討すべき人の特徴は3つです。「働きたい業界や職種が明確」「今の職場で成長を感じられない」「ブラック企業で働いている」
  • 若手転職をしないほうが良い人の特徴は3つです。「違う仕事を経験してみたいだけ」「転職のリスクを理解していない」「貯金が生活費の3ヶ月分以下」
  • 若手転職者に対して、採用担当者が重視しているポイントは3つです。「基本的なビジネスマナー」「活躍を見込めるポテンシャルがあるか」「入社の本気度」

今回は20代若手で転職することの「リスク」について、実体験を交えながら解説してきました。

本記事でも見てきたように、若い年代で転職することには、たしかにリスクがあります。しかし、転職にリスクがあるのは「20代だから」という問題ではありませんよ。どの年代の転職でもリスクはあって、それに対してどれだけ入念に準備ができるかが大切ですよね。

今起こっている問題を見て見ぬ振りをして、そのまま年齢を重ねてしまうのが一番のリスクかもしれませんね。そうではなく、「20代若手だからこそ」アピールできる強みを活かしていくのがおすすめですよ。