転職を考える際、自分と同じ年代の「転職者の割合」が気になる方も多いのではないでしょうか。

人によっては、「自分の周りには転職経験者が全くいない」というケースもあるかもしれません。

その場合は「新卒で入社した会社でずっと働くのが普通なのかな…」と思ってしまうかもしれませんね。

そこで今回は、実際にどのくらいの割合の人が転職しているのかについて、外部の調査データを用いて解説していきます。

年代や業界によっても転職者の割合には差がありますよ。その点も併せて確認していきましょう。

転職者割合のデータを確認してみよう

早速ですが、実際にどのくらいの割合の人が転職しているのかをデータで確認していきましょう。

今回見ていくのは、2011年に転職サイト「doda」でおこなわれた、転職活動の実態調査に関するデータです。

少し前の調査ではありますが、今回はこちらのデータを活用していきますね。

doda|2人に1人が「転職経験あり」〜転職活動の実態調査

こちらのデータによると、社会人として働き始めてから「転職をしたことがある」と回答した人は、全体の52.5%という数字が出ています。

年代別では、「25〜29歳」で転職経験のある人が35.5%、「30〜34歳」では59.9%となっています。

20代の若手でも、実は「3人に1人」は転職経験があるというのは、少し意外に感じるかもしれませんね。

そして、こちらはあくまで2011年時点の話です。転職がより一般化してきた現在では、転職者の割合はさらに増えていると想定できますよ。

20代の転職割合は約35%!ただし業界によって多少の誤差も

上でご説明したとおり、20代の転職割合は約35%。しかし、この数字は業界によっても違いが見られますよ。

今回の調査データのなかで、転職経験者の割合が最も高いのは「小売/外食(66.7%)」です。

イメージしやすい仕事を例に挙げると、スーパーや百貨店、レストラン、居酒屋チェーンなどが小売・外食業界に含まれます。

次に高いのが「メディカル(66.2%)」。医薬品や医療機器販売、介護、福祉などの仕事がこの業界に含まれています。

一方で、転職経験者の割合が最も低いのは「金融(24.4%)」です。代表的なものでは、銀行や証券会社などの仕事ですね。
(※あくまで2011年時点のデータです。現在は状況が変わっている可能性があります)

このように、「業界によって転職経験者の割合に大きな差があること」をまずは知っておいてくださいね。

続いて、「なぜ転職経験者の割合にここまで大きな差が出ているのか?」という部分を考えていきましょう。

業界によってブラック企業の比率も異なる

業界によって転職割合に違いがある理由ですが、業界ごとの「ブラック企業の比率」が大きく関係しています。

結論を先に言うと、小売業やサービス業などの「顧客に直接サービスを提供する産業」はブラック企業が比較的多い傾向がありますよ。

先ほどの調査のなかでも、このような業界で働く人は「給与に不満がある」「昇進が望めない」「不規則な勤務が不満」の割合が他業種よりも高くなっています。

それでは、なぜ小売業やサービス業にブラック企業が多いのでしょうか?大きな理由の一つに、「お客様が一般消費者」であることが挙げられますよ。

たとえば、「毎週定休日があるスーパー」や「土日は営業しない飲食店」を見たことはあるでしょうか?あるとしても、そういったお店はかなり珍しいですよね。

私たちの普段の生活のなかで、こういったサービスをいつでも使えることは「当たり前」になっていると言えます。

この点は利用者側からすれば便利でありがたいことですが、それを運営していく側の人にとってみたら非常に大変なことですよね。

とくに、今は人手不足の時代。

少ない社員で今まで通りのサービスを提供するためには、「休みなし」や「長時間労働」が起こってしまうのは構造上仕方ないとも考えられますよ。

労働環境を求めるなら労働環境の満足度もチェックしておこう

労働環境の改善を求めて転職するなら、その職業で働いている人の満足度も一緒にチェックしておきましょう。

同じくdodaのサイトのなかで「仕事満足度ランキング2019」というデータがありますので、こちらを参考にしてみてくださいね。

doda|仕事満足度ランキング2019

このデータのなかでは、たとえば「仕事内容」に対する満足度であれば、「通訳・翻訳」「内装設計・インテリア」などが上位の職種となっています。

しかし、「給与・待遇」に対する満足度は「モノづくり系エンジニア」や「MR」などの職種が上位となっており、項目によっても順位に違いが出ていますよ。

仕事内容を重視するのか、それとも年収や待遇面を重視するのかによっても、仕事への満足度は大きく変わってくるということです。

今回ご紹介してきた各種データは、「ご自身が転職でなにを重視するのか?」をしっかり考えたうえで活用していくようにしてくださいね。

20代で転職は有利!スムーズに転職を進めるためにやるべきこと

「20代の若手でも転職している人は多い」という点がわかったところで、次は「スムーズに転職を進めるためにやるべきこと」について考えていきましょう。

まず重要なポイントとして、基本的に転職は「若いほど有利」です。だからこそ、「ニーズの明確化」が非常に大切だと考えておきましょう。

ニーズの明確化とは、ご自身が転職でなにを求めるのかをハッキリさせておくということ。

先ほどご紹介した仕事満足度の調査でもそうでしたが、その人が求めるものによってもランキング上位の職種は変わっていましたよね。

つまり、「ご自身が今の職場のどの部分に問題を感じて、それをどう改善したいのか?」という点について、可能な限り明確な答えを出しておくことが大切ですよ。

このようにニーズを明確化したうえで、「本当に転職するべきかどうか?」を検討していってくださいね。

そして「転職すべき」と判断できた場合には、以下の3つの準備に早めに取り掛かっていきましょう。

<スムーズに転職を進めるためにやるべきこと>
①在職中に転職エージェント&転職サイトに登録する
②貯金する
③スキルアップ

それでは、この3つの準備について一つずつ詳しくご説明していきますね。

①在職中に転職エージェント&転職サイトに登録する

まずやるべきことは、転職エージェントと転職サイトに登録することです。

求人を探す手段としてはさまざまな方法がありますが、そのなかでも転職エージェント・転職サイトの利用が最も多くの求人と出会える方法です。

ここでは、おすすめの転職エージェントを2社、転職サイトを1社ご紹介しますね。

おすすめの転職エージェントとしては次の2つをご紹介します。

<リクルートエージェント>
非公開求人数多数の業界最大手の転職エージェント。登録者数・転職決定者数も業界1位で、各種転職支援についても大手ならではの安定感がある。

<ハタラクティブ>
社会人未経験・20代・第二新卒に特化した転職エージェント。「未経験可」の求人を多数保有し、サポートの丁寧さでも評判が高い。

転職サイトについてはこちらを登録しておくのがおすすめですよ。

<リクナビNEXT>
転職者の約8割が利用している大手転職サイト。掲載求人の約9割が正社員求人。サイト内で「リクルートエージェント」に同時登録することもできる。

転職サイトの方では、基本的に「求人を探すこと」がメインの活用方法となります。

一方、転職エージェントは求人紹介に加えて「応募書類の作成支援」「面接の対策」「内定後の給与交渉」などのサポートを受けられますよ。

これらのサービスを在職中に登録して、なるべく早くから求人探しにとりかかっていきましょう。

②貯金する

ある程度の貯金をしておくことも、スムーズに転職を進めるためには欠かせない準備の一つ。

なぜなら、転職活動ではお金のかかる場面も多いからです。

たとえば、面接会場までの交通費、時間調整のカフェ代、スーツのクリーニング代…など、細かい出費は思っている以上に多くかかると考えておきましょう。

また、もしも「退職後」に転職を考えているならとくに注意が必要です。

退職後の生活費に加えて、住民税や国民健康保険料なども自分で納める必要があり、「一度の納付で数万円」など非常に大きな金額になることも…。

そのため、退職後に転職をする場合なら、最低でも「3〜4ヶ月分の生活費」は貯金しておくようにしてくださいね。

③スキルアップ

「資格取得」や「英語力をつける」などのスキルアップも、転職活動を有利に進めるためには効果的な方法です。

資格取得などによって専門知識が付くことはもちろん、「向上心」や「熱意」などもアピールすることができるので、面接で評価されることも多いですよ。

とはいえ、スキルアップならなんでも良いかというと、そうではありません。前提として「その仕事に繋がるスキル」でなければ評価はされません。

たとえば「とりあえず英語を身につけておこう」と考えてTOEICの勉強を始める方も多いですが、それが評価されるのは「英語を使う仕事」だけです。

スキルアップを考える前に、まずは「自分が就きたい仕事」を明確していくことから始めていってくださいね。

転職は準備が非常に重要

転職活動を成功させるには、「事前の準備がどれだけできるか?」がとにかく重要です。

「転職の成否は準備次第で8割決まる」と考えておきましょう。逆に言えば、準備が不十分なら失敗する可能性が高いということです。

実際にどんな準備を進めていけば良いのかに関しては、以下の記事で詳しくご説明しています。

こちらも併せて参考にしてくださいね。

>>在職中に転職活動する手順まとめ!転職は準備が8割

まとめ

本記事のポイントのまとめです。

  • 転職経験のある社会人は、全体で52.5%、25〜29歳で35.5%、30〜34歳で59.9%です(2011年時点)。現在はさらに増えていると予想されます。
  • 転職経験者の割合が高い業界としては、「小売/外食」の66.7%、「メディカル」の66.2%などが挙げられます。一方、最も低い業界は「金融」の24.4%です。
  • 小売業やサービス業など、顧客に直接サービスを提供する産業はブラック企業が比較的多い傾向があります。
  • 基本的に転職は若いほど有利。だからこそ、「ニーズの明確化」が非常に大切だと考えておきましょう。

20代の若手でも3人に1人は転職していることが分かれば、「転職に動き出すハードルはそれほど高くないかも!」と思えるのではないでしょうか?

ハードルは高くありませんが、勢いだけで退職するのは危険ですよ。転職に必要な準備もしっかり進めていきましょう。