転職時に気になるポイントの一つが「資格」の存在ではないでしょうか?

「転職するなら資格が大事」という意見はよく耳にしますが、

POINT「本当に資格は転職に役立つの?」
「資格が大事とは言っても、どの資格を取ればいいの?」

といった疑問を抱えている方は多いですよね。

そこで今回は「女性の転職」に着目して、女性の転職で有利になる資格を10個に厳選してご紹介していきます。

基本的には今からでも取れる資格のみを取り上げていきますので、資格取得を検討中の方は参考にしてください。

なぜ転職で資格が有利なのか

そもそも、なぜ転職で資格が有利に働くのでしょうか?

もちろんすべての資格が有利に働くわけではなく、「その仕事に関連する資格」でなければ有利にはなりませんよ。

たとえば、「子どもと全く関わらない仕事なのに、保育士資格をアピールする」というのはあまり意味がありませんので注意しましょう。

その点をクリアした上で、転職で資格が有利になる理由には次の3点が挙げられます。

<転職で資格が有利になる3つの理由>
①未経験でもポジティブに捉えられやすい
②学習意欲を評価される
③土台の知識があると教育しやすい

「①未経験でもポジティブに捉えられやすい」「②学習意欲を評価される」については、とくに面接などの選考段階で有利に働くポイントです。

これは「資格によって得られた知識やスキル」以上に、「資格を取ろうとしたやる気や熱意」が評価されていると考えるとよいでしょう。

つまり、資格を取得することで「今後も足りない知識は積極的に勉強していけますよ」という意思の証明になり、面接官が好印象を持ちやすくなるのです。

そして採用後を考えても、会社側にとっては「③土台の知識があると教育しやすい」というメリットもありますよね。

このような理由により、その仕事につながる資格を取ることで有利に転職活動を進めていくことができますよ。

今から取れる!女性の転職で有利になる資格10選

転職で資格が有利になる理由がわかったところで、具体的にどんな資格を取るべきかを考えていきましょう。

資格取得を考える際は、「何の戦略もなく、ただ興味があるものを取る」というのはおすすめできません。

なぜなら、資格はそれぞれで身につく知識や難易度、社会的な知名度などに大きな違いがあり、「苦労して取ったのにあまり意味がなかった…」というケースもあるからです。

なので、最初にご説明した通り、まずは「希望する仕事に関連する資格」であることをチェックしましょう。

その上で、それぞれの資格の「受験条件」や「難易度」などを理解して、ご自身の状況でチャレンジできる資格を選んでいってくださいね。

今回は、転職で有利になる資格を10個に絞ってご紹介していきます。

<女性の転職で有利になる資格10選>
・介護職員初任者研修
・MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
・自動車運転免許
・医療事務
・登録販売者(一般医薬品)
・ファイナンシャル・プランナー(FP)2級
・日商簿記検定2級
・保育士
・宅地建物取引主任者(宅建)
・社会保険労務士(社労士)

この10個の資格について、それぞれの概要や難易度、そしてどんな職種の転職に有利なのかを解説していきますね。

それでは、一つずつ分けてご説明していきます。

介護職員初任者研修

POINT取得難易度:☆
試験日程:各スクールが決めた日に実施
受験条件:初任者研修講座を開講しているスクールに通い、カリキュラム修了後に試験を受験

「介護職員初任者研修」は介護の基礎知識を証明する資格です。

初任者研修講座を開講しているスクールに通い、カリキュラム修了後に受ける修了試験に合格することで取得することができます。

カリキュラムを理解していれば試験内容は決して難しいものではなく、万が一不合格の場合は追試での合格も可能です。

そして、この資格は「介護業界」に転職する際におすすめの資格です。

日本では介護職員の深刻な人材不足が問題になっていることから、転職市場でも介護関連の求人は非常に多くなっています。

そのため未経験からでも転職がしやすい業界ですが、この資格を取っておくことでさらに有利に転職を進めることができますよ。

介護現場の入門資格として役立つ知識を学べる資格であり、介護業界でキャリアアップしていきたい女性におすすめの資格と言えますね。

MOS

POINT取得難易度:☆☆
試験日程:毎月1~2回実施
受験条件:とくになし

MOSの正式名称は「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」。

WordやExcelなど、マイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明するための資格です。

資格は「スペシャリストレベル」と「エキスパートレベル」に分かれていて、後者のほうが上級向けの資格となっています。

WordやExcelは多くの会社でも使われているソフトであり、MOSを持っていれば「最低限のPCスキルは持っている」ことの証明となりますよ。

そもそも、MOSを持っているかどうかに限らず、事務職を受ける際には「WordやExcelは問題なく使えるか?」という点は面接でも聞かれやすい質問です。

基本的なPCスキルを証明するためにも、一般企業の事務職への転職を目指す際には取っておくと有利な資格です。

自動車運転免許

POINT取得難易度:☆☆
試験日程:運転免許センターで平日に実施
受験条件:自動車教習所を卒業していること

運転免許はすでに持っている人も多いかもしれませんね。身分証明にも使えるポピュラーな資格です。

ポピュラーな資格だけに、「運転免許が転職に役立つのだろうか」と思う人も多いかもしれません。

しかし、募集要項に「要運転免許」と記載している求人は意外にも多いですよ。

たとえば、取引先を訪問する「営業職」や、お年寄りや子どもなどをサポートをする「対人援助職」などは、運転免許が必要とされることが多いです。

それ以外にも、会社の商品を販売店や個人宅に運搬する「ルート配送」も、仕事上で運転免許が必須となりますよ。

とくに都内から離れれば離れるほど、運転免許を持っていることを条件とする求人は増えていく傾向があります。

地方で就職を考えている方は、持っておいて損のない資格と言えるでしょう。

医療事務

POINT取得難易度:☆☆☆
試験日程:毎月1回実施
受験条件:とくになし
※「メディカルクラーク(医科)」の場合

医療事務に関する資格は多くの種類が存在していて、そのすべてが民間資格です。

どの資格を取るべきかは、「医療事務のなかでも、どういう場所で働きたいか」によって決めるとよいでしょう。

たとえば、病院や診療所で働きたいという方は「メディカルクラーク(医科)」、調剤薬局で働きたい方は「調剤事務管理士」がおすすめですよ。

その中でも、医療事務の最もスタンダードな資格が「メディカルクラーク(医科)」です。

これらの資格は名前の通り、医療事務に転職したい場合に有利な資格ですが、実は医療事務は資格がなくても就くことのできる仕事です。

なので、「医療事務の資格を取る意味ってあるの?」と思うかもしれませんね。

しかし、医療事務は患者さんと最初に顔を合わせるところで働く仕事であり、患者さんから診察料金の説明を求められることも実際に多いです。

そのため、「診療報酬」について正しい知識を身につけておく必要があり、その点を資格取得を通して勉強しておくことはアピールポイントにつなげられます。

とくに医療事務は女性に人気の職業の一つなので、医療事務を考えている方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

登録販売者(一般用医薬品)

POINT取得難易度:☆☆☆
試験日程:8月下旬~12月中旬に年1回実施(都道府県によって異なる)
受験条件:とくになし

「登録販売者」とは、風邪薬や鎮痛剤などの「一般用医薬品」を販売できる専門資格です。

「◯◯の薬がほしい」と思ってドラッグストアに行ったものの、薬剤師が不在で購入できなかった…、という経験はないでしょうか?

もちろん薬剤師にしか取り扱えない薬もありますが、登録販売者がいれば、薬剤師が不在でも医薬品を販売することが可能です。

登録販売者が活躍できる場所としてはドラッグストアがまず挙げられますが、最近ではコンビニやホームセンターでも薬を取り扱うお店が増えてきていますよ。

健康に対する意識が社会的に強くなっていることもあり、幅広い医薬品を扱うことのできる登録販売者は今後もニーズの高まっていく職業と言えるでしょう。

医療関係の仕事に興味のある方におすすめの資格です。

ファイナンシャル・プランナー(FP)2級

POINT取得難易度:☆☆☆☆
試験日程:毎年5月・9月・1月の年3回実施
受験条件:「AFP認定研修の受講修了者」「FP3級合格者」「FP実務経験2年以上」これらのうちどれか一つを満たす必要がある

「ファイナンシャル・プランナー(FP)」とは、一言で表せば「お金の専門家」です。

取り扱う範囲はとても広く、税金・投資・住宅ローン・教育資金・老後資金…など、お金に関わる様々な分野の知識を身につけられる資格となります。

FPはとくに金融系への転職の際に役立つ資格で、具体的には「銀行」「保険会社」「証券会社」などの業界でアピールにつながりますよ。

FP2級には必要な受験資格があり、そのなかでも満たしやすいのが「AFP認定研修の受講修了者」か「FP3級合格者」のどちらかです。

FP3級は難易度もそこまで高くないことから、転職時のアピール材料としては少し弱いことに注意しましょう。

金融関連への業界を考える方は、ぜひ「FP2級」まで目指してくださいね。

日商簿記検定2級

POINT取得難易度:☆☆☆☆
試験日程:毎年11月・6月・2月の年3回実施
受験条件:とくになし

「簿記」とは、日々のお金の動きを定められた規則にのっとって記帳することを意味します。

個人事業や企業活動において、「正しいルールを守りながらお金の動きを記帳できる」という判断基準になるのが簿記検定です。

事務職全般や、そのなかでも「経理職」での採用時に有利になる資格ですよ。

数ある資格のなかでも歴史があり知名度も高いことから、面接官から評価されやすいこともこの資格のポイントです。

簿記検定には「日商簿記」以外にも「全経簿記」や「全商簿記」などもありますが、最もポピュラーの「日商簿記」を選んでおけば間違いありません。

転職時のアピールとして活用するには「日商簿記3級」では少し弱いので、簿記検定を取る際には「2級」を目標にしてくださいね。

保育士

POINT取得難易度:☆☆☆☆
試験日程:毎年4月・10月の年2回実施
受験条件:「大卒・短大卒・高専卒以上」であれば学部関係なく受験資格あり。「専門学校卒・高卒・中卒」の場合は特定の条件をクリアしている必要がある。

「保育士」は、子どもの保育と、保護者に対して保育に関する指導を行うことができる国家資格です。

そしてあまり知られてはいませんが、実は「大卒・短大卒・高専卒以上」であれば卒業した学部に関係なく保育士の受験資格があります。

そのため、独学で試験の勉強を行い、保育士の資格を取得することも可能ですよ。

とはいえ、試験の合格率は20%程度とそれなりに難易度は高く、試験には「実技」もあるため、実際にはスクールなどに通って対策する方が多いようです。

保育士の就職状況ですが、「待機児童」が連日ニュースでも報道されているように、日本は深刻な保育士不足となっています。

そのため保育士の人材は引く手あまたの状況で、資格取得後は未経験でも採用されるケースもありますよ。

保育士の仕事はハードですが、近年は自治体による住宅手当の支給など、国をあげて働きやすさの改善を図ろうとする動きが見られています。

さらに、保育園以外でも「ベビーシッター」や「企業内託児所」など、保育士資格を活かせる仕事は増えていて、転職市場でも評価されやすい資格です。

「子どもと関わる仕事がしたい」という方におすすめの資格ですね。

宅地建物取引主任者(宅建)

POINT取得難易度:☆☆☆☆☆
試験日程:毎年10月に年1回実施
受験条件:とくになし

不動産を売買するときに、お客様が知っておくべき重要事項を説明する際に必要な資格が「宅地建物取引主任者(宅建)」です。

こうした重要事項を説明できるのは宅建の資格を持っている人だけで、資格を取ることで説明業務を請け負うことが可能となります。

そして、この資格が重宝されるのは不動産業界だけではありません。

たとえば銀行などの金融業界では不動産取引に関する業務も多く、それを行うためには「一定数以上の宅建保有者が企業内にいなくてはいけない」と決められています。

また、金融業界に限らず、様々な企業で自社が保有する土地や建物を管理・運営していく必要があり、その上でも宅建保有者が必要となるのです。

以上のことから、不動産や金融業界への転職はもちろん、それ以外でも幅広い業界・企業で評価のされやすい資格だと言えますよ。

宅建は必要な受験資格もなく誰でも受けることができますが、合格率は15%程度と難しい部類の資格となります。

資格取得を目指す際には独学も一つですが、通信教育や専門学校の受講も視野に入れて考えてみるとよいでしょう。

社会保険労務士(社労士)

POINT取得難易度:☆☆☆☆☆
試験日程:毎年8月に年1回実施
受験条件:「大卒・短大卒・高専卒以上」であれば学部関係なく受験資格あり。「専門学校卒・高卒・中卒」の場合は特定の条件をクリアしている必要がある。

「社会保険労務士(社労士)」は、企業における採用から退職までの、社会保険に関する問題や年金の相談に応じるなどの仕事を行う際に必要な資格です。

複雑な社会保険の手続きを円滑に行ったり、企業と労働者間でトラブルが起きないように正確・迅速な対応が求められる仕事となります。

おもに一般企業の総務部や人事部への転職に有利に働きやすく、将来的には独立を考えることも可能な資格ですよ。

「大卒・短大卒・高専卒以上」であれば学部関係なく受験資格がありますが、合格率は5~10%と難易度はかなり高めです。

そのため、独学での取得を目指す人は珍しく、通信教育や資格学校に通い、時間をかけてじっくり勉強する人がほとんどです。

合格さえできれば大きな武器になる資格ですが、ある程度の勉強期間はかかること、さらにスクール代として20万円程度はかかることを理解した上で検討しましょう。

まとめ

本記事のポイントのまとめです。

  • 転職で資格が有利になる理由は3つです。「未経験でもポジティブに捉えられやすい」「学習意欲を評価される」「土台の知識があると教育しやすい」
  • 資格取得を考える際は、「希望する仕事に関連する資格」であることをチェックしましょう。

今回は女性の転職者に向けて、転職活動で有利になる資格を10個ピックアップしてご紹介してきました。

本記事の冒頭でもご説明したように、面接官から評価されるのは「資格によって得られた知識やスキル」以上に、「資格を取ろうとしたやる気や熱意」が評価されるケースが多いです。

そのため、資格取得が有利に働くことは事実ですが、「難しい資格さえ取得できれば採用される」ということでは決してありませんので注意しましょう。

資格は自己PRや職歴などと同様に、あくまで「アピール材料の一つである」という意識を忘れないように気をつけてくださいね。