上司が合わなくて会社を辞めたい!転職すべきケースと我慢すべきケースの見分け方

職場の人間関係がうまくいかず、それをきっかけに転職に動き出す人も少なくありません。

そのなかでも、「上司との相性」が合わずに辛い思いをしている人も多いですよね。

立場的にも上司に対しては強く言えないことも多く、同僚や後輩との人間関係よりも厄介な問題になるケースもあるでしょう。

そうは言っても、感情のままに退職するのもリスクがありますよね。このような状況をうまく乗り越えていくには、どんな部分に気をつければ良いのでしょうか。

そこで今回は、「上司が合わないことを理由に退職・転職する」というテーマについて、会社を辞めるべきかどうかの判断基準などを解説していきます。

「転職のリスク」についても詳しくお話していきますので、判断に迷っている方は参考にしてくださいね。

「会社」は選べるけど「上司」は選べない

新卒入社でも中途入社でも同様ですが、会社を選ぶことはできても「上司」を選ぶことはできません。

就職活動で内定が決まっても、その時点では自分が働く部署まで決まっていないケースも多いでしょう。

そしていざ配属された先の上司が自分と合わなかったときは、精神的にも辛い思いをして働くことになってしまいますよね。

同じ会社のなかでも、「隣の部署の上司はとても良い人なのに…」といったケースも珍しくありません。上司が自分に合うかどうかは”運”の要素も強いのです。

そこで、具体的に上司と「何が合わないのか」をまずは確認しておきましょう。

なぜこの部分について考えるのかというと、この部分を再確認することで、状況を改善できるポイントが見つかるかもしれないからです。

ここでは、「自分とは合わない!」と感じてしまう上司の代表的な特徴を4つご紹介していきます。

<自分とは合わないと感じてしまう上司の特徴>
・部下の話を聞かない
・仕事の指示は出すが自分は何もしない
・自分の出世を第一に考えている
・セクハラやパワハラをしてくる

ご自身の上司のタイプと照らし合わせて、どのタイプに近いのかをチェックしてみてくださいね。

それでは、これら4つの特徴を一つずつご紹介していきます。

部下の話を聞かない

自分よりも立場が上の人からの話はしっかり聞くのに、立場が下の人からの話は聞き流すような上司もいますよね。

こんな上司のもとでは、仕事で何か困りごとがあったときにも相談するのをためらってしまう人が多いのではないでしょうか。

そのような上司は、「部下や部署全体のマネジメント」という管理職としての大切な役割を放棄しているともいえるでしょう。

このように上司が自分の話をしっかりと聞いてくれないことも、仕事でストレスを溜めてしまう要因の一つとなってしまいます。

仕事の指示は出すが自分は何もしない

「仕事の指示は細かく出すくせに、自分自身は何もしていない…」こんな上司も少なくありませんよね。

ひどい場合だと、仕事中に自分のデスクでゲームをしていたり、居眠りをしているなんてことも…。

そんな上司から仕事の指示をされても、気持ちよく仕事ができるはずがありません。

もちろんそれが同僚や後輩の話であれば自分で注意することもできるでしょうが、上司という立場の人に注意するのはとても勇気のいることですよね。

注意することもできず、仕方なく指示を受け入れるという状態を続けていれば、どんどんストレスは溜まっていってしまいます。

自分の出世を第一に考えている

「とにかく自分の出世が第一」という考え方の上司もいるでしょう。

このような上司は、部下の失敗を嫌う傾向があります。なぜなら、部下の失敗が自分の評価にひびくのではないかと考えているからです。

反対に部下が成果をあげたときは、その成果を自分の手柄にしてしまうような上司もいますよね。

「失敗したときには責任を追求されて、成果をあげても自分の手柄にする」こんな上司のもとで働いていても、仕事へのやる気が日に日に損なわれていくのは仕方ありません。

セクハラやパワハラをしてくる

セクハラやパワハラをしてくるような上司も、残念ながらまだまだ多いのが実情です。

具体的には「女性の体を触る」ことや「2人きりでの食事を何度も誘う」など、肉体的・精神的なさまざまなハラスメントが考えられます。

女性へのセクハラ以外にも、部下に対してひどい暴言を吐いたり、明らかに達成不可能なノルマを課すこともハラスメントの一部です。

そして、セクハラ・パワハラをおこなう上司自身に、ハラスメントをしているという自覚がない場合も非常に多く、自分一人ではなかなか対処が難しい問題だといえるでしょう。

上司の問題は転職で解決可能!ただし転職リスクは知っておくべき

上司との相性が合わずに苦しんでいるときの解決法としては、「転職すること」が考えられますよね。

転職して今の会社を立ち去ることで、今の上司とのトラブルからはすぐに逃れることができるでしょう。

しかし、転職は良い面ばかりじゃないことも知っておかなければいけませんよ。転職にはいくつかのリスクもあるのです。

ここでは、転職の代表的なリスクを5つご紹介していきます。

このようなリスクを知った上でも転職したいかどうかをご自身で判断するために、どんなリスクが考えられるのかを一度チェックしてみてくださいね。

<転職の代表的な5つのリスク>
・納得のいく転職先がすぐに見つからない
・転職先の上司が自分に合うとは限らない
・ブラック企業に当たってしまう
・転職理由によっては、面接時の評価を下げることも
・転職を繰り返すことで人材価値が下がる

上記のように、場合によっては転職することで状況が悪化してしまうこともあります。これを防ぐためには、転職前にこれらのリスク一つ一つを理解しておく必要がありますよ。

それでは、一つずつ分けてご説明していきますね。

納得のいく転職先がすぐに見つからない

転職のリスクのなかでも代表的なものが、「納得できる転職先がなかなか見つからない」というケース。

時期によっても出回る求人数には違いがあるので、「いくら探しても自分の希望を叶える求人と出会えなかった…」なんてことも考えられるでしょう。

そして転職活動が長期化してしまうと精神的にも辛いですし、退職後の転職であれば「お金」の問題も発生してきますよね。

「転職先はすぐには見つからない」という前提で考え、前もってしっかり準備をしておくことが大切ですよ。

転職先の上司が自分に合うとは限らない

そして納得できる転職先が見つかったとしても、その会社の上司が自分に合うとは限りませんよね。

会社全体として見ればホワイト企業であっても、そこで働く社員全員が同じ価値観を持っているなんてことはありえませんよ。

そのため、運悪く自分に合わない上司に当たってしまい、また同じことの繰り返しになってしまう可能性も十分に考えられます。

もしも「良い会社=良い上司がいる」という考えをお持ちなら、その考え方は改めたほうが良いでしょう。

ブラック企業に当たってしまう

転職したことにより、労働環境が劣悪な「ブラック企業」に入社してしまうリスクも考えられます。

ブラック企業の場合、求人票に書かれている内容と実際の労働環境に大きな差があるケースが多く、求人票だけでは判断できないのが厄介なところ。

もしもブラック企業に当たってしまえば、上司との相性に関する悩みは解決できたとしても、それ以外の新たな悩みでストレスを溜めてしまうことになるでしょう。

これを防ぐには求人票や会社HPに書かれている情報だけで決めるのではなく、実際に職場を見学しておくなど、入社前に会社を見極めるための努力や工夫が必要不可欠です。

転職理由によっては、面接時の評価を下げることも

中途採用の面接なら、「なぜ転職をするのか?」などの転職理由に関する部分は必ずといって良いほど聞かれる質問です。

その際に「上司が合わなかったから」と正直に回答することは、面接の評価を下げてしまう可能性があるので注意が必要ですよ。

なぜなら、面接官からすれば「うちの会社に入っても同じ理由で辞めてしまうのでは…」と不安に感じてしまい、内定を出しづらくなるからです。

転職理由に限らず、面接の受け答えの際には「こう答えたら相手はどう感じるのか?」をよく考えながら内容を考えていきましょう。

転職を繰り返すことで人材価値が下がる

転職先の上司にまたもや恵まれず、再度転職をするような状況に陥ってしまった場合、次の転職時には不利になってしまうリスクも考えられます。

転職を短期間で繰り返すことで「すぐに辞める、長続きしない人」という烙印を押されてしまい、たとえ能力面が魅力的でも企業としては採用しづらくなってしまうからです。

「次の会社の上司が合わなかったら、また転職すればいっか」と楽観的に考えていると、後々痛い目に合ってしまうこともあるので気をつけてくださいね。

もし判断に困ったら診断してみよう

ここまでのご説明を聞いて、今のご自身の状況で転職をすべきなのかどうか迷ってしまった方もいるかと思います。

「会社を辞めたい」と感じているときには必ず原因がありますので、その点を慎重に分析していくことが大事ですよ。

今回のテーマである「上司との相性」以外の問題も含めて、本当に会社を辞めるべきなのかどうかをより深く考えていきましょう。

この点に関しては以下の記事で詳しくご説明していますので、判断に困ってしまった人はこちらも参考にしてくださいね。

限界なら上司を理由に転職するのは全然アリ

ここまでのご説明のように転職にリスクがあることには間違いありませんが、それでも「上司を理由に転職すること」は決して悪いことではありませんよ。

なぜなら、上司を理由に転職することは「自分が伸び伸びと働ける環境を探すための転職」と捉えることができるからです。

あまりにひどい上司のもとで働いていても、仕事で良いパフォーマンスを出すことは難しいですよね。

せっかく仕事内容がご自身にピッタリなものであったとしても、上司との相性が悪くて結果を出せないというのは非常にもったいないことです。

上でもご説明したように面接時には答え方を工夫したほうが良いですが、上司を理由に退職することに負い目を感じ、我慢し続ける必要はまったくありません。

我慢し続けると身体を壊す可能性も

上司に強いストレスを抱えながら我慢して働き続けていると、身体を壊してしまう可能性もありますよ。

基本的に会社は毎日のように通う場所。一日一日で見れば小さなストレスだったとしても、それが積み重なっていけば精神的負担はとても大きなものになってしまいます。

そして自分の気づかないうちに心が蝕まれていて、身体にも異変が出てきてしまう…といったことは実際によくある話です。

繰り返しますが、「上司と合わないから退職なんて甘いのかな…」と感じる必要はありません。

今後も心身ともに問題なく仕事を続けていけることを第一優先で考えていってくださいね。

まとめ

本記事のポイントのまとめです。

  • 自分とは合わないと感じてしまう上司の特徴は4つです。「部下の話を聞かない」「仕事の指示は出すが自分は何もしない」「自分の出世を第一に考えている」「セクハラやパワハラをしてくる」
  • 転職の代表的なリスクは5つです。「納得のいく転職先がすぐに見つからない」「転職先の上司が自分に合うとは限らない」「ブラック企業に当たってしまう」「転職理由によっては、面接時の評価を下げることも」「転職を繰り返すことで人材価値が下がる」
  • 転職にはリスクがありますが、それでも「上司を理由に転職すること」は決して悪いことではありません。

本記事でご紹介してきたように、転職で状況が改善することもあれば、その反対に悪化する可能性があることも念頭に置いておきましょう。

まずは転職にどんなリスクがあるのかを理解した上で、転職すべきかどうかを慎重に考えていってくださいね。