転職時に必ず見るべき8つの条件!後悔しないための確認事項とは

求人票には「雇用形態」「社会保険」「月給」など、条件面についての様々な記載がありますよね。しかし、それぞれの条件面について細かい説明は書かれていない場合が多いので、条件を見てもよく分からないという人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、転職の際に必ずチェックすべき8つの条件について紹介していきます。転職活動が終わった後で「思っていた働き方と違った…」とならないように、今回紹介する内容は確実に押さえておいてくださいね。

転職時の条件は【優先順位】が大切

各種条件について詳しく見ていく前に、「希望条件に優先順位をつけることの大切さ」について触れておきます。なぜなら、それぞれの条件内容について理解ができても、条件の優先順位を考えられなければ会社探しに活かすことができないからです。

そこで、希望条件に優先順位につける上での3つのポイントについてお話しします。

POINT

<転職時の条件は【優先順位】が大切>
・全ての条件を満たす企業はない
・条件を絞ることで転職先が探しやすくなる
・おすすめは紙に書き出して考えること

自分の中で優先順位が明確になっていれば、たとえ第一希望の会社の選考が上手くいかなかった時でも、すぐに別の会社を探すことができますよ。

それでは、「全ての条件を満たす企業はない」という部分から順番に説明していきます。

全ての条件を満たす企業はない

転職を始める前に必ず覚えておきたいのが、「自分の希望条件を全て叶えてくれる会社は存在しない」ということです。

「給料も高くて、休みも多くて、やりがいもあって、家から近い」なんて会社があれば嬉しいですが、そういった会社を見つけることは簡単なことではありませんよね。

会社は学校などとは違い、仕事を行いその対価として報酬を受け取る場所です。「自分が最高に居心地の良い場所を探す」ことが第一優先ではありませんよね。

希望の条件を考えると同時に、そもそも「なぜ転職をするのか?」という根本の部分をもう一度振り返っておくと良いでしょう。

条件を絞ることで転職先が探しやすくなる

転職先に求める条件を絞り、優先順位をつけることで会社選びがしやすくなるメリットもあります。

例えば、「今の住所から30分以内で通えること」を会社選びの絶対条件にした場合、その時点で選べる会社はかなり絞られるはずです。逆に言えば、希望の条件を何も考えずに「今と同じ業界であること」というような軸だけで会社を探そうとすると、当てはまる会社が多すぎて選ぶのが大変になってしまいますよ。

条件を絞りすぎるのはよくないですが、希望条件が全くないことも、転職先を探す時にはマイナスに働いてしまうので注意してくださいね。

おすすめは紙に書き出して考えること

条件の優先順位を考える時は、「紙に書き出す」方法がおすすめです。

頭の中だけで色々と考えても、なかなか考えはまとまりません。まずは希望する条件を全て書き出してみて、それから優先順位をつけていくと思考が整理されていきますよ。

人によっては「残業が少ないこと」が第一優先かもしれませんし、「勤務地が東京都内であること」が第一優先かもしれません。会社を選ぶ上での基準は人それぞれなので、優先順位の付け方に正解・不正解はありませんよ。

そして優先順位をつけたメモは、求人を探す上でぜひ活用してみてください。求人を色々と眺める中で優先順位が変わることもありますが、そういった考えの変化もその都度メモしておきましょう。

絶対に確認しておく3つ条件

希望条件の優先順位については大丈夫でしょうか?ここからは具体的な条件内容についての説明に入っていきますね。

まずは絶対に確認しておくべき3つの条件を見ていきましょう。ここを見落としてしまうと、転職後に大きな後悔となってしまう可能性が高いので注意してくださいね。

注意点

<絶対に確認しておく3つ条件>
①雇用形態
②社会保険の有無
③勤務開始日

入社後に「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、この3点は最初に押さえておくべきポイントです。

それでは、一つ一つ確認していきます。

①雇用形態

雇用形態は意外と見落としがちな部分です。色々な会社の求人募集を見る時、なんとなく「正社員の応募が普通じゃないの」と思ってしまうことはありませんか??注意して求人内容を見てみると、正社員以外の募集もそれなりに多いので気をつけましょう。

雇用形態の主な種類としては、次のようなものが挙げられます。

<雇用形態の主な種類>
・正社員・・・労働契約に「期間の定めがない」雇用のこと
・契約社員・・・労働契約に「期間の定めがある」雇用のこと
・派遣社員・・・雇用主と就業先が異なる雇用のこと。こちらも労働契約に「期間の定めがある」雇用形態となる
・アルバイト・パート・・・給料は時給制で、主に補助的な仕事を行う

「正社員」と「契約社員」の最も大きな違いは「労働契約に期間の定めがあるか」という点です。正社員であれば、基本的には定年まで働くことができますが、契約社員の場合は「1年」や「3年」など、会社ごとで働ける期間が定まっています。

また、派遣社員は「雇用主と就業先が異なる雇用形態」です。例えば「東京の派遣会社に就職したけど、実際の勤務地は神奈川にある派遣先の会社」ということが起こり得ます。そして契約社員同様、期間の定めがある雇用となります。

このように、どの雇用形態なのかで立場や内容は大きく異なっています。基本的な部分ですが、見落とさないように気をつけてくださいね。

②社会保険の有無

社会保険にしっかり加入しているかどうかも必ずチェックしましょう。基本的には、以下の4つの保険があれば問題ありません。

<チェックするべき4つの保険>
・雇用保険
・労災保険
・健康保険
・厚生年金保険

会社によっては「社会保険完備」と記載されていますが、これは上記4つの保険があることを指しているケースが多いです。基本的にこれらの保険に加入することは「企業としての義務」なので、従業員を雇っている一般的な会社であれば「入っているのが普通」と考えて良いでしょう。

社会保険も、雇用形態と同じく求人票をチェックするときは必ずチェックすべき項目です。

③勤務開始日

いつから勤務が始まるのかも、絶対に確認しておきましょう。とくに仕事を続けながら転職活動を行う時は、勤務開始日に思い違いがあった際は大きなトラブルに繋がってしまう危険があります。

また、退職してから転職を始める場合でも、「お金」の面で勤務開始日は重要です。内定が決まったとしても、「勤務開始は半年後から」となった場合、その間の生活費をどうするのかが問題になってしまいますよね。

転職先に自分の状況を正直に伝えて、場合によっては勤務開始日をずらしてもらうことも一つの方法ですよ。

優先順位をつけて考える5つの条件

続いて、「優先順位をつけて」考えるべき条件について触れていきます。なぜ優先順位をつけるのかは、冒頭でお話しした通り「全ての条件を満たす会社はない」からでしたね。

<優先順位をつけて考える5つの条件>
④給与(月給・年収)
⑤各種手当
⑥休日や勤務時間
⑦勤務地
⑧入社後の仕事内容やポジション

これら5つの条件はもちろん全て大切ですが、その中でも「自分にとって特に大切にしたい条件」を考えていきましょう。そこがハッキリすれば、数ある求人の中か自分の希望に合った会社をスムーズに探していけるはずです。

それでは、これらの条件を一つずつ分けて説明していきますね。

④給与(月給・年収)

給与面、とくに「月給」の金額は求人票の中でもわかりやすい項目なので、転職時の条件として重要視している人も多いです。

しかし、「月給」だけで判断してはダメですよ。なぜなら、「ボーナス・賞与」の金額次第で年収は大きく変わるからです。

例として、次の2つの金額を比べてみましょう。

A社・・・月給25万円・ボーナスなし
B社・・・月給18万円・ボーナス5ヶ月分

この2つを比べてみると、月々の給料ではA社の方が7万円も高いですが、年収で比べるとB社の方が高くなります。それだけボーナスの金額は年収に大きく影響してくるのです。

求人票ではボーナスの金額が記載されていない時も多いです。この場合は別で確認が必要なので、注意してくださいね。

⑤各種手当

給与面を確認するときは、毎月支給される各種手当についてもしっかり見ておきましょう。

「各種手当」とは、例えば次のような手当のことです。

<手当の例>
・通勤手当
・住宅手当
・家族手当
・残業手当 など

このような手当ての有無によっても、月あたり数万円の差が出てきますよ。とても大切なポイントです。

一点気をつけてほしいのが「残業手当」について。毎月の手当の中に「残業手当」を含めることで、「一定時間までは残業代が支払われない」というケースがあります。

これは「みなし残業制」や「固定残業制」と呼ばれるもので、例えば「残業手当は月20時間分の残業時間を含める」という労働契約になっていれば、20時間までの残業に対しての残業代は別で支払われないことになります。

この点を理解しておかないと、入社してから「残業時間と残業代が合わない!」ということになってしまいますよ。気をつけましょう。

⑥休日や勤務時間

休日や勤務時間も、仕事をしていく上では大切なポイントですよね。休日のスタイルには「土日休み」もあれば、「シフト制で毎回休日の曜日が変わる」という場合もあります。勤務時間も同じで、日中だけでなく夜間の出勤がある場合も考えられますよね。

休日・勤務時間については、業種によって大きく変わってくる部分です。会社内でのデスクワークであれば「日中勤務・土日休み」という求人が多いですが、サービス業や小売業などであれば、土日や年末年始こそ一番忙しいタイミングになります。

自分自身がどのようなワークスタイルを望むのかという視点で、休日や勤務時間を確認してみてくださいね。

⑦勤務地

勤務地も、優先順位をつけて考えるべき条件の一つです。「自分のやりたい仕事ができるなら、全国どこでもいい」という人もいれば、「地元を絶対に離れたくない」という考え方の人もいます。これも自分自身の価値観で判断すべき条件と言えるでしょう。

また、入社時点だけではなく、「今後転勤の可能性があるかどうか」も併せて確認しておきましょう。営業範囲が全国区の大企業であれば、県外への転勤をお願いされるのも珍しいことではありません。

⑧入社後の仕事内容やポジション

給料や休日などの部分だけで会社を選んではダメですよね。「入社後、自分はどんなポジションで、どんな仕事をやるのか」もしっかり確認しておきましょう。

いくら他の条件が素晴らしいものであったとしても、仕事内容が自分に合っていなければ本末転倒です。一日の大半は「仕事」に時間を使うことになるので、やりがいを持って働けるかどうかはとても重要な部分と言えるでしょう。

人によっては、「自分のやりたいことができるなら、多少の残業や休みが少ないことは気にならない」という考え方もあります。他の条件面と一緒に、入社後の仕事内容や「自分のポジション」といった部分をどれだけ重視していくのか、よく考えてみてくださいね。

転職時に条件を交渉する場合の注意点

ここまで求人を見る上での各種条件について詳しく見てきました。
最後に、転職先との「条件交渉」についても確認しておきましょう。

「条件交渉なんて、自分には関係ない」と思うかもしれませんが、転職時に給料や勤務地について交渉することは決して珍しいことではないのです。いざ自分がそういった場面に出くわした時に慌ててしまうことのないよう、この点も理解しておくと良いでしょう。

<転職時に条件を交渉する場合の注意点>
・条件交渉をするタイミングに気をつける
・交渉時は相手が納得できる「根拠」が必要
・条件交渉は転職エージェントに相談がおすすめ

交渉内容が通るかどうかはもちろん会社側次第ですが、正しい相談の仕方は知っておきましょう。最初に提示された条件と比べて、より希望に近い待遇で入社できる可能性も十分にありますよ。

それでは、まずは条件交渉をする「タイミング」の部分からお話ししていきます。

条件交渉をするタイミングに気をつける

給料や勤務地などの条件交渉を行う時は、その「タイミング」が重要です。

会社側の立場になって考えてみましょう。まだ採用するかどうかも分からない面接の時点で、「前職の年収は◯◯円だったので、もう少し上げて頂けないでしょうか」といったような相談を持ちかけられたら…、おそらく、あまり良い気はしませんよね。

基本的には、各種条件について相談するタイミングは「内定後」がおすすめです。ただし、「親の介護があり転勤ができない」など、どうしてもその条件でないといけない場合であれば、早めに伝えておいた方がトラブルは少なくなります。

このようにケースバイケースですが、待遇を上げたい場合の交渉であれば、採用が決定した後に相談を持ちかける方が良いでしょう。

交渉時は相手が納得できる「根拠」が必要

条件について相談するときには、相手が納得できる「根拠」が必要です。

例えば勤務開始日について交渉する場合、「もう少し休養期間が欲しいから」といった理由では相手に納得してもらえませんよね。それが「〇〇の資格を取りたいと考えていて、そのためにまとまった勉強期間が欲しい」という理由であれば、会社側も「何とかしてあげたい」という気持ちに変わるかもしれません。

もちろん根拠を持って相談しても、それが叶えられない場合もあるでしょう。それでも、ただ自分の希望だけを伝える場合と比べれば雲泥の差です。

条件交渉を行う時は、「なぜその条件を希望するのか?」という理由の部分までしっかり準備しておいてくださいね。

条件交渉は転職エージェントに相談がおすすめ

ここまで転職時の条件交渉について、タイミングや根拠の大切さについてお話ししてきましたが、お互いに気持ちよく条件交渉を終えることは誰でも簡単にできることではありません。

自分の意見を正直に伝えるのが苦手な人もいると思います。そういった方にとって、希望条件を会社側に伝えることはとてもハードルの高いことですよね。

こういった時は、「転職エージェント」に相談すると良いでしょう。転職エージェントは求人を紹介してくれるだけではなく、このような転職時の条件交渉も代わりに行なってくれますよ。

自分の希望を応募先企業にハッキリと伝えるのは勇気のいることですが、転職エージェントの担当者になら気軽に相談できますよね。希望が通らない場合でも、希望条件にあった別の求人を見つけてくれることもあるので、担当者には早めに伝えておくのがおすすめです。

【まとめ】条件面の確認は大切!後悔のない転職をしよう

本記事のポイントのまとめです。

POINT

  • 転職時の条件は優先順位をつけることが大切です。全ての希望を満たしてくれる会社は基本的にはありません。
  • 絶対に確認しておくべき条件は3つです。「雇用形態」「社会保険の有無」「勤務開始日」
  • 優先順位をつけて考えるべき条件は5つです。「給与」「各種手当」「休日・勤務時間」「勤務地」「入社後の仕事内容・ポジション」
  • 転職先と条件交渉する場合もあります。その場合は「タイミング」と「根拠をもって伝えること」に気をつけましょう。

今回は転職時に必ず見るべき8つの条件について紹介してきました。転職後に後悔しないために、どれも「知らなかった」では済まされないポイントですよ。

本記事で紹介した条件面を入念に確認するのは大切なことです。しかし、条件面だけを考えていても転職活動はうまくいきません。「自分自身がやりがいを持って仕事をしていけるか」という気持ちの部分も、充実した毎日を過ごす上では欠かせないポイントですよね。

「条件面」と「やりがい」の部分、それぞれのバランスを考えながら、自分にぴったりの職場を探していってくださいね。