転職に不安を感じてしまう大きな理由の一つが「転職活動の進め方がわからない」ということ。
実際に転職した人の話を聞いても、「親戚から紹介されて入社した」「面接はなくて、最初の顔合わせで内定が決まった」など様々なケースがあり、自分にとってはあまり参考にならないことも多いです。
転職で大切なことは、基本の流れや進め方をしっかり理解しておくこと。
転職活動の全体像を理解しておくことで不安を減らし、失敗するリスクも最小限に抑えられますよ。
そこで今回は、転職の進め方を「求人探し~入社」まで5つのステップに分けてご説明していきます。
次に必要な準備をご自身で考えられるよう、転職の正しい進め方を理解しておきましょう。
転職~入社までの大まかな流れ
まずは転職~入社までの大まかな流れを確認しておきましょう。
求人を探すために転職エージェントやハローワークに登録し、実際に新しい会社へ入社するまでには以下のような手順が必要になります。
<転職~入社までの大まかな流れ>
1.転職エージェント、転職サイト、ハローワーク等で求人探し
2.求人に応募
3.応募書類の作成・提出
4.書類選考
5.面接試験(会社によっては筆記試験あり)
6.内定
7.条件確認、内定承諾
8.現職場に退職の意思を伝える
9.退職手続き、引き継ぎ
10.新しい会社へ入社
ご覧のように、転職活動でやることは「求人を探して、面接を受けて終了」というだけではありませんね。
さらに面接試験が3〜4回行われる場合や、面接試験に加えて筆記試験が課される場合など、選考にかかる期間も会社によって大きな差があります。
無事に内定をもらえたとしても、条件面の確認をしたり、現職場の退職手続きを行ったりと、やらなければいけないことはたくさんありますよ。
そのため、仕事を続けながら転職活動を行う場合、転職にかかる期間はざっくり「3~6ヶ月」と考えておくと良いですよ。
もちろん人それぞれで活動期間には差があるので、「なかなか希望の条件に合う会社が見つからない…」という場合ならさらに長期化するケースもあるでしょう。
このように、まずは転職の「全体像」をイメージできるようにしてくださいね。
ここからは、転職活動の流れをより具体的に説明していきます。
超基本の転職5STEP!それぞれの注意点を詳しく解説
転職~入社までの全体像がわかったところで、転職活動の流れをより具体的に解説していきますね。
転職を始める前には、ここで説明する基本の流れをしっかり理解しておくことが大切ですよ。
なぜなら、先述した通り「求人を探して面接を受ける」だけでは転職はうまくいかないからです。
転職開始から入社までのそれぞれの段階ごとで、準備すべきことや気をつけなければいけないポイントが存在します。
大事なポイントを見落としてしまわないように、ここでは転職〜入社までを5つのステップに分けて説明していきますね。
<基本の転職5STEP>
STEP①転職活動を進める前の確認
STEP②求人を探す
STEP③選考、面接を受ける
STEP④内定獲得!転職先の最終確認と退職前手続き
STEP⑤最終出勤日&初出社日
基本的にはこの5つのステップをクリアしていかない限り、転職を成功させることは難しいと考えましょう。
ただし、最初から「全てを完璧に」という意識では転職が辛いものになってしまいますので、「一つひとつ、順番にクリアしていく」という意識で進めていってくださいね。
それでは、5つのステップを一つずつ分けてご説明していきます。
STEP①転職活動を進める前の確認
はじめに、「転職活動を進める前」の確認事項を説明しますね。
上の部分でもご説明した通り、転職にかかる期間はおおよそ「3~6ヶ月」。
転職活動中は、交通費や時間調整のカフェ代、新しいスーツ代など何かとお金が必要な場面も多いので、ある程度の貯金は必ずしておくようにしてくださいね。
そして、基本的には今の職場で働きながら転職先を見つけるのが良いですよ。
退職してから転職活動に専念するケースもありますが、「希望の転職先がなかなか見つからないリスク」「生活費が足りなくなるリスク」などを考えると、できれば在職しながら転職活動を行うのがおすすめです。
そして、もう一点大切なことが「転職の目的」を再確認すること。
転職する目的が待遇面への不満なのか、新しい業種へのチャレンジなのかによっても、求人の見るべきポイントや選ぶ基準は大きく変わってくるからです。
逆に言えば、転職の目的があやふやな状態では、転職活動中に「迷い」を生んでしまうことになります。
転職活動の目的が明確でなければ、自分が納得できる会社を選ぶことはできません。
さらには、迷いからくる「自信のなさ」が面接官に相手に伝わってしまうこともあるでしょう。
転職活動に動き出す前に、自分の考えを整理することはとても大切なことですよ。
STEP②求人を探す
転職活動の準備が整ったら、いよいよ「求人を探す」段階です。
求人を探す方法としては、おもに「転職エージェント」「転職サイト」「ハローワーク」の3つがよく活用されています。
それぞれ特徴や、求人の質・量に違いがありますので、簡単に違いを確認しておきましょう。
<転職エージェント>
特徴:一人ひとりにエージェント会社の担当者がつき、求人探し〜内定後のフォローまでサポートしてくれる。
求人の量:比較的多い
求人の質:全体的に高い
<転職サイト>
特徴:転職サイト上に公開されている求人を自分で検索し、自分で応募する。担当者によるサポートなどはとくになし。
求人の量:比較的少ない
求人の質:それぞれのサイトごとで、業種の傾向などバラツキがある。
<ハローワーク>
特徴:各地域にあるハローワークで求人探しや面接対策などのサポートを受けられる。担当者制を導入しているハローワークもあり。
求人の量:多い(平成28年度の新規求人数は約970万件)
求人の質:求人の掲載に費用や審査が不要なことから、質の悪い求人が公開されていることも。
この中でも、「在職中に効率よく進めたい」という人には転職エージェントの利用がおすすめです。
その理由は、転職エージェントなら転職全般に対する徹底的なサポート体制があるからです。
転職エージェントに登録すると一人ひとりに担当者がつき、「求人探し」の段階から「応募書類の添削・面接対策」、内定後の「給与交渉」まで丁寧にサポートしてくれますよ。
同じくハローワークでも転職サポート受けることはできますが、転職エージェントと比べると「求人の質」に大きな違いがあります。
転職エージェントは「有料媒体」なので、無料で求人を掲載できるハローワークよりも優良な求人が集まりやすい傾向があるのです。
もちろん、求人を探す方法は一つに絞る必要はありませんよ。
3つの手段のそれぞれの良い部分をうまく掛け合わせながら、希望の求人を探していきましょう。
STEP③選考、面接を受ける
希望の求人が見つかった後は、履歴書などの応募書類を提出し、書類選考、面接試験と進んでいきます。
まずは履歴書・職務経歴書の作成から始めていくことになりますが、応募者が多ければ、書類選考で落ちてしまうことも珍しくありませんよ。
ただ必要事項を埋めるのではなく、書く内容についても十分に検討しなくてはいけません。
応募書類を作成する上で大切なことは「読み手が見やすいように、丁寧に作成する」ということ。
基本的な部分ですが、相手の立場になって物事を考えられるかどうかで、こういった応募書類の読みやすさにも大きな違いが出てきます。
いくら内容が素晴らしいものでも、文字が小さすぎたり、誤字が多かったりすれば好印象を与えることはできませんよ。
そして、書類が無事に通れば次は面接試験です。
面接の回数は「2〜3回」が平均と覚えておきましょう。
ただし、企業によっては4回・5回と面接を行うケースもあるため、この点は早めに確認しておくと計画も立てやすいですよ。
面接の当日は、提出した応募書類のコピーをあらかじめとっておいて、それを必ず見返すようにしてください。
応募書類の中に「自己PR」や「志望動機」を書いているはずなので、自分がどんな内容の文章を出したのかを再度チェックしましょう。
転職活動は2・3社の選考を同時に進めていることもあるため、それぞれどんな内容の文章を提出したのか、混乱してしまう人も少なくないからです。
もちろん、面接中のマナーや立ち振る舞いなどの基本的な面接対策も必須です。
転職エージェントやハローワークを活用して、対策を入念に進めておいてくださいね。
STEP④内定獲得!転職先の最終確認と退職前手続き
無事に内定が出た後も、まだまだやらなければいけないことは残っています。
とくに大切なのが「労働条件の確認」です。
始業時間や就業時間、休日などの基本的なことから、毎月の給料や手当、今後の転勤の有無など、勤務する上で確認しておかなければいけないポイントはたくさんありますよ。
場合によっては条件面の交渉を行ったり、やむを得ず別の会社を探さなくてはいけないこともあるでしょう。
この点は漏れがないように、転職エージェントやハローワークの人と相談しながら進めるのがおすすめですよ。
条件面に問題がないことを確認できれば、現職場に退職の意思を伝えます。
まずは直属の上司に伝えるのが一般的ですが、伝える時期は退職日のおおよそ1ヶ月半前〜3ヶ月以内に伝えることが多いです。
ただし、それぞれの会社で決められている「就業規則」は必ず確認しましょう。
なぜかというと、就業規則の中で「退職は3ヶ月前までに申し出ること」など定められていることもあるからです。
その期間を過ぎた後の退職はトラブルにつながってしまう可能性もあるので、早めにチェックしておいてくださいね。
退職の際に提出することになる、「退職願」と「退職届」の違いも押さえておきましょう。
<退職願と退職届の違い>
・退職願・・・退職を願い出るための書類。あくまで退職「願い」であり、会社側から拒否されるケースもある。
・退職届・・・退職を通告するための書類。会社側に退職の可否を問わない。
実は退職に関しては民法に定めがあり、「退職日の2週間前まで」に退職の意思を伝え、退職を通告する「退職届」を提出することで退職可能と決められているのです。
しかし、これはあくまで法律上の話であり、実際には2週間前の通告では会社側に迷惑がかかってしまいますよね。
なので、基本的には「退職願」を早い時期に提出し、円満な退職を目指す方が良いでしょう。
退職願が無事に受理されれば、業務の都合を踏まえながら具体的な退職日を決めていきます。
その際、有給が残っている場合は「有給消化が可能かどうか」のすり合わせも行います。
STEP⑤最終出勤日&初出社日
そしていよいよ最終出勤日。まず、会社から貸与されているものについては忘れずに返却しなければいけません。
会社へ返却が必要になるものには、次のようなものが挙げられます。
<退職時に会社へ返却するもの>
・身分証明書(社員証)
・名刺
・健康保険被保険者証
・会社の文具・備品・PCなど
これらの整理に関して「退職日にまとめて片付ける」という考えは失敗のもと。
「最終出勤日に片付けが終わらなくて残業…」なんてことにならないように、余裕をもって退職の準備を進めていきましょう。
また、退職までに会社から受け取る書類と、新しい転職先に提出する書類がありますよ。
これらは今後、税金手続きの際にも必要になる重要な書類です。併せて確認しておきましょう。
現職場から受け取るもの | 転職先に提出するもの | |
離職票 | ◯ | |
雇用保険被保険者証 | ◯ | ◯ |
源泉徴収票 | ◯ | ◯ |
年金手帳 | ◯ | ◯ |
これらの書類を忘れずに受け取り、転職先の初出社日に備えます。
出勤初日にこれらの書類を持ってくるよう指示されることも多いですが、それ以外にも「住民票」や「健康診断書」などが必要になることもあります。
とくに「健康診断書」は、健康診断を受けてから発行されるまでに1週間程度はかかります。
転職先の会社から必要書類についての連絡がない場合は、早めに確認の電話をいれておくと安心ですね。
転職は根気が命。腰を据えて妥協せず挑もう
「STEP①〜STEP⑤」まで見てきたように、転職活動はそれぞれの段階でやるべきこと、必要な準備が多いことがわかりましたね。
そして、これらの手順を一つでも妥協してしまうと、後悔する結果につながりやすいので注意しましょう。
「求人を探す」ことを妥協すれば自分に合った会社を見つけられませんし、「書類選考・面接試験」の対策が甘ければ内定をもらうことができません。
1〜2社だけ応募して転職が成功する例は少ないので、根気強く続けていくことが転職活動には求められます。
そして「STEP②求人を探す」の部分でもお話ししたように、転職初心者こそ転職エージェントを活用すべきです。
全体の求人数だけで見ればハローワークの方が多いですが、「好条件な求人数」で見たときには転職エージェントのほうが有利な印象です。
転職エージェントなら、内定後の「労働条件の確認」まで丁寧にサポートしてくれます。
自分一人で転職を進めていくのはとても大変なことです。
だからこそ転職エージェントを活用し、それぞれの段階でプロのアドバイスを受けながら進めていければ、転職成功の確率をグンと上げることができますよ。
まとめ
本記事のポイントのまとめです。
- 転職活動は「求人を探して面接を受ける」だけではありません。それ以外にもやるべき準備や手続きは多く、転職にかかる期間はざっくり3~6ヶ月です。
- 転職活動の流れは5つに分けられます。「①転職活動を進める前の確認」「②求人を探す」「③選考、面接を受ける」「④内定後、転職先の最終確認と退職前手続き」「⑤最終出勤日&初出社日」
- 求人を探す方法はおもに3つです。「転職エージェント」「転職サイト」「ハローワーク」
- 全体の求人数は「ハローワーク」が一番ですが、良条件を求めるなら「転職エージェント」がおすすめ
今回は転職活動の進め方の全体像について、求人探し~入社までを5つのステップで説明してきました。
実際の転職では、「面接中にその場で内定を言われた」という場合や「退職時期について今の会社と折り合いがつかない…」など、今回お話しした以外のイレギュラーが発生することも少なくありません。
だからこそ、基本を押さえて冷静に対処していくことが大切ですよ。
そしてイレギュラーな問題が起こってしまった時にすぐに相談できるよう、ご自身だけで進めるのではなく、転職エージェントなどを上手に活用していってくださいね。