
転職について考え始めるきっかけは人それぞれ。
「◯◯業界に転職してスキルを身に付けたい!」という明確な目標を持っている人もいれば、「他の人の転職話がきっかけで興味を持った」という人もいますよね。
しかし、自分の納得のいく会社に転職することはそんなに簡単なことではありません。
転職の理由や状況次第では、「現時点ではまだ転職すべきでない人」である可能性もありますよ。
そこで今回は、「今すぐ転職するべき人」と「転職しないほうが良い人」の特徴をそれぞれ紹介していきます。
「自分は本当に転職すべきなのか?」その判断材料として参考にしてくださいね。
今すぐ転職をするべき人の特徴
まず、「今すぐ転職するべき人の特徴」を5つご紹介しますね。
なぜ最初にこのテーマに触れるのかというと、5つの特徴に該当する人ほど、転職によるメリットが大きくなるからです。
逆に言うと、今の状況のままだと大きな損失につながる可能性もあるということですね。
現状を把握するため、ご自身が特徴に該当していないかを最初にチェックしてみましょう。
<今すぐ転職をするべき人の5つの特徴>
・ブラック企業で働いている
・今の仕事を続けた3年後の自分に希望を感じない
・上司や同僚からパワハラ、セクハラを受けている
・働きたい業界や職種、目標などが明確
・自分の市場価値を正しく理解している
これらの特徴と自分自身を照らし合わせてみましょう。
ご自身にあてはまるような特徴が見つかれば、なるべく早くに転職するべきサインかもしれませんよ。
とくに「ブラック企業」や「パワハラ・セクハラ」などのネガティブな要素があてはまる時は要注意。
心身に影響を及ぼす可能性もあるので、すぐにでも対処が必要です。
それでは、これらの特徴を一つ一つ見ていきましょう。
ブラック企業で働いている
まずはじめに、「ブラック企業で働いている人」は今すぐ転職をするべきです。
どんな企業がブラック企業なのか、おもな特徴を挙げていきますね。
<ブラック企業のおもな特徴>
・長時間労働が当たり前(残業時間が過労死ラインの月80時間以上)
・労働時間にカウントされない時間がある(研修や待機時間など)
・休日が少ない(年間休日数が100日未満)
・有給希望が拒否される
・給料が最低賃金額を下回っている
・残業代が出ない
・無理なノルマを課され、達成できなければ強く非難される
・パワハラやセクハラが横行している
・離職率が高い(3年後離職率が、平均の30%を大きく超えている)
もしもこの特徴のうち「一つでも」当てはまるようであれば、その会社はブラック企業である可能性が高いですよ。
こういった劣悪な環境で働き続けても、そこで得られるものは少ないでしょう。
世の中には数多くの企業があるので、若いときの貴重な時間をわざわざブラック企業で無駄にする必要は全くありませんよ。
体や心に異変が出る前に、すぐにでも転職に動き出してくださいね。
今の仕事を続けた3年後の自分に希望を感じない
今の仕事をこのまま続けた場合の「3年後の自分」を想像してみてください。
3年後の自分が今と比べてスキルアップしていたり、新しい仕事に挑戦していたりと、何かしらの成長や変化をイメージできるのであれば、そのまま仕事を続けるのも良いでしょう。
しかし、3年後の自分に対して何も希望を感じられない場合は、なるべく早くに転職を検討することをおすすめします。
そんな状態では毎日の仕事にモチベーション高く取り組むことはできませんし、未来の自分に希望がない状態で働き続けるのはとても辛いことですよね。
「今の職場で、このまま働いててもな…」と悩んではいませんか?
もしそうなら、「3年後の自分がどうなっているのか」をイメージしてみてくださいね。
上司や同僚からパワハラ、セクハラを受けている
職場内で上司や同僚からパワハラ、セクハラを受けている場合は、今すぐ転職をすべきですよ。
これはブラック企業で働いている場合も同じですが、パワハラやセクハラが横行しているような職場で働いていても、そこで得られるものはほとんどないと思って良いでしょう。
パワハラやセクハラが、「職場内の一人だけの問題」というケースであれば、まだ解決が望めるかもしれません。
しかし、パワハラやセクハラが当たり前になっていたり、上司に相談しても何も改善されないような状況の場合は、早めにその会社はあきらめたほうが良さそうです。
そこで無理して働き続ければ、体やメンタルを壊してしまう可能性も十分にあります。
そうなってからでは遅いので、早めに転職活動を始めるようにしましょう。
働きたい業界や職種、目標などが明確
「働きたい業界や職種、目標などが明確に決まっている」という人も、今すぐ転職すべき人の特徴です。
次の目標が決まっているのに、今の職場でダラダラと働き続けるのは時間がもったいないですよ。
とくにそれが未経験の業界・職種へのチャレンジの場合は、転職時の年齢も大きく関わってきます。
20代の若い年代であれば業務未経験でも就職できる可能性は高いですが、30代や40代の場合、全くの未経験での転職は厳しいことを理解しておきましょう。
転職先での今後のキャリア形成を考えても、年齢は若いほうが有利です。
目標が決まっているのなら、次はどう行動に移していくかを考えるタイミングですね。
自分の市場価値を正しく理解している
「自分の市場価値を正しく理解している」ということも、転職を成功させる上でとても大切なことです。
なぜなら、「自分は何が得意なのか」「他の人と比べてどんな長所があるのか」「現時点でどんなスキルを持っているのか」といった要素を正しく理解していなければ、ご自身にあった転職先を見つけることはできないからです。
反対に、このような自分の市場価値を理解していれば、今の会社が自分に合った職場なのかどうかも正しく判断できますよね。
自分の強みやスキルを客観的に捉えた上で、「今の会社はベストではない」と思うなら、早いうちに転職に動き出すのが良いですよ。
転職しないほうが良い人の特徴
「今すぐ転職をするべき人」の次は、「転職しないほうが良い人」の特徴も確認しておきましょう。
ここで挙げる特徴に当てはまる人は、転職によって状況が悪化してしまう可能性が高いため、今のままでは転職すべきではありません。
周りの意見に流されたり、いっときの感情で転職を決めてしまうのは後悔のもとですよ。
ご自身がそういった人の特徴に該当していないか、こちらもチェックしておきましょう。
<転職しないほうが良い人の4つの特徴>
・貯金が生活費の3ヶ月分以下
・単純に違う仕事を経験してみたいだけ
・転職を考えたきっかけが他人の影響や憧れ
・転職のリスクを理解していない
もしもこれらの特徴に当てはまるようなら、転職に動き出す前にまずは自己分析や業界理解などを深めていきましょう。
軽い気持ちで転職に動き出すことは大きな失敗を招くことにもなるので、ある程度の「慎重さ」も転職活動では大切ですよ。
それでは、一つずつ分けてご説明していきますね。
貯金が生活費の3ヶ月分以下
転職しないほうが良い人の特徴の一つ目は、「貯金が生活費の3ヶ月分以下」しかない人です。
転職活動には意外にもお金がかかる場面が多いので、そこを甘く考えていると、思わぬところでつまづいてしまうかもしれませんよ。
たとえば、面接会場に行くまでの「交通費」もかかりますし、場合によっては「スーツ・靴・ビジネスバッグ」などを新調しなければいけないこともありますよね。
こういった出費も、積み重なれば大きな負担となっていきます。
人によっては、退職日から次の会社の入社日まで期間が空いてしまうこともあるでしょう。
これらの点を考えると、「生活費の3ヶ月程度」の貯金をしておければ安心して転職活動に専念できますよね。
単純に違う仕事を経験してみたいだけ
もしも転職理由が「単純に違う仕事を経験してみたいだけ」ということなら、転職は考え直したほうが良いでしょう。
その理由なら、わざわざ転職をしなくても「副業」で経験ができるからです。
副業などで経験してみて、それが「本当にやりたいこと」だと判断できてから、転職に動き出すのがおすすめですよ。
「少し興味がある」程度の気持ちで転職を進めて、新しい会社に入ってから後悔することになっても、もとの会社に戻ることはできませんよね。
「転職のリスク」についても後述しますので、その点も併せて理解しておいてくださいね。
転職を考えたきっかけが他人の影響や憧れ
転職を考えたきっかけが「他人の影響や憧れ」という人も、転職後の後悔につながりやすいケースです。
たしかに、友人など身近な人の転職話で「給料が上がった」「休みが多くなった」という話を耳にすれば、「自分も転職してみようかな…」なんて気持ちになってしまうことはありますよね。
しかし、転職は当然ですが良い面ばかりではありません。
好条件を求めて転職したものの、「前の会社のほうが全然マシだった…」ということも少なくありませんよ。
転職は他人の影響や憧れなどではなく、「自分自身が今後どうしていきたいのか?」をよく考えた上で決めてくださいね。
転職のリスクを理解していない
「転職のリスク」が理解できていない人も、転職をするべきではありません。
転職のリスクで代表的なものには、「転職活動が長期化する」「転職しても状況が改善されない」「転職を繰り返すことで人材価値が下がる」などが挙げられます。
このようなリスクを理解し受け入れた上で、「転職をするべきなのかどうか」を決めていくことが重要です。
そして実際に転職に動き出す前には、これらのリスクに対する入念な準備を進めていきましょう。
転職を考える際に知っておくべき3つの注意点
ここまでの内容では、「今すぐ転職をするべきか」、それとも「もう少し考えるべきなのか」をお話ししてきました。
そのどちらにあてはまるとしても、「転職時の注意点」はしっかりと頭に入れておきましょう。
ここで紹介する注意点が意識できていなければ、いざ転職を始めようとした時に予想外の障害に突き当たり、理想の転職が遠のいてしまうこともあるからです。
ここで紹介するのは最低限知っておくべき注意点です。
まずはこの3点を理解しておきましょう。
<転職を考える際に知っておくべき3つの注意点>
・転職活動にはお金がかかる
・全くのホワイト企業は想像以上に少ない
・転職は若い人のほうがダントツ有利
これらの注意点を理解しておくことで、転職を決断したときにもスムーズに動き出すことができますよ。
とくに転職では「年齢」がとても重要なので、転職を決めてから行動に移すまでに時間がかかってしまうほど、不利になってしまうと考えましょう。
それでは、これら3つの注意点を一つずつ説明していきますね。
転職活動にはお金がかかる
「転職しないほうが良い人の特徴」の部分で、「貯金が生活費の3ヶ月分以下しかない人は注意」という内容を説明しましたね。
そこでも話したように、転職活動は色々とお金が必要になります。
とくに「失業保険」が支給されるタイミングをよく理解していない人が多いので、気をつけてください。
退職後は多くの場合で失業手当をもらうことができますが、実は支給が始まるまでに「3ヶ月期間の待機期間」があり、実際に手にするのは4ヶ月目以降となっています。
もう一点、「国民健康保険料」と「住民税」についても注意しましょう。
この2つは会社員であれば毎月の給料から自動的に天引きされるものですが、退職のタイミングによっては、退職時にこれらの請求がまとめてきてしまうことも考えられますよ。
こういった点は見落としがちなポイントです。
転職活動に集中できるように、余裕を持って貯金しておくのがおすすめですよ。
全くのホワイト企業は想像以上に少ない
実際に転職活動を始めてみると気づきますが、全くの「ホワイト企業」は想像以上に少ないのが現実。
「残業が少ない」「自由に有給が取れる」「各種制度がしっかり整っている」というような、誰もが入社をうらやむようなホワイト企業の求人はなかなかありません。
その中で、大切なことは希望条件に「優先順位」をつけることです。
自分の希望条件を全て満たしてくれるような求人を探していたら、いつまでたっても転職が進みません。
そもそも何を目的に転職をしようと思い立ったのか、一度振り返るのも大切なことですよ。
転職は若い人のほうがダントツ有利
転職は若い人のほうが「ダントツに有利」であることも、必ず押さえておきましょう。
とくに未経験の業界・職種への転職する場合は、この傾向が顕著にあらわれますよ。
20代若手の転職が有利に働く理由については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてくださいね。
「入社して3年未満の転職は不利になる」「20代若手の転職はリスクが大きい」こういった意見を聞いてしまうと、20代の若いうちに転職することに大きな不安を抱いてしまいますよね。 しかし一方では、「転職では若いほうが有利だよ」 …
転職には覚悟が必要。だけど環境は大きく変わる
ここまでの説明で、転職には注意しなければいけないポイントも多く、そしてリスクがあることにも気づけたのではないでしょうか。
そして入念に準備をしても、転職の「100%成功」は誰にも保障できません。
1度の転職で理想の企業へたどり着くことは、そんなに簡単なことではありませんよ。
つまり、転職には「覚悟」が必要ということ。
そして、覚悟を決めて行動に移すことで、環境を大きく変えることができます。
間違いなく言えることは、今の職場で働き続けても希望が見出せないなら、転職は若いうちのほうが良いということ。
問題を先送りにせずに、自分の状況としっかり向き合ってくださいね。
まとめ
本記事のポイントのまとめです。
- 今すぐ転職をするべき人の特徴は5つです。「ブラック企業で働いている」「3年後の自分に希望を感じない」「パワハラ、セクハラを受けている」「働きたい業界や職種が明確」「自分の市場価値を正しく理解している」
- 今すぐ転職しないほうが良い人の特徴は4つです。「貯金が生活費の3ヶ月分以下」「単純に違う仕事を経験してみたいだけ」「転職を考えたきっかけが他人の影響や憧れ」「転職のリスクを理解していない」
- 転職を考える際に知っておくべき注意点は3つです。「転職活動にはお金がかかる」「全くのホワイト企業は少ない」「転職は若い人のほうがダントツに有利」
- 転職には「覚悟」が必要です。覚悟を決めて行動に移すことで、環境を大きく変えることができます。
今回は転職すべきかどうか悩んでいる人へ向けて、今すぐ転職するべき人と、そうではない人の特徴を紹介してきました。
最後にお話ししたように、転職には「覚悟」が求められます。
中途半端な気持ちで転職に動き出してしまうのではなく、明確な目標を定めることが成功の秘訣ですよ。