転職は人生にとっての非常に大きな転機です。だからこそ「どうせなら有利な時期に転職したい!」と思いますよね。

だけど初めての転職だと、

POINT「いつ頃に転職活動を始めるのがいいの?」
「転職するときの流れがいまいちわからない…」
「もっと業務経験を積んでからのほうがいいのかな…」

といった悩みも出てきます。

そこで当記事では、初心者が抱える「転職時期に関する不安」を、実体験をもとに解決してきます。「スムーズに転職できる、有利なタイミングを知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

転職に有利なタイミングは「時期」と「年齢」でわかる

転職を有利に進める上で大切なポイントは「時期」と「年齢」です。

まず「時期」についてですが、具体的に言えば「何月頃に動くか?」ということが大切になってきます。転職活動を始めるタイミングをある程度選べるのなら、どうせだったら求人が多い時期に動き始めるのがベストですよね。

実際に「求人が多く出回る、転職におすすめの時期」というのは存在していて、具体的には「3~4月」と「9~10月」がこれにあたります。その理由についてはこの後詳しく説明していきますね。

また、転職では「年齢」も非常に重要です。みなさんも一度は耳にしたことがあるとは思いますが、「転職は若いほうが有利」というのは本当ですよ。

このように、転職を成功させたいなら「時期」と「年齢」の両方についての理解が必要です。そしてこの両方を満たすことができれば、スムーズに転職活動を進めていくことができますよ。

それでは、まずは「時期」の部分から詳しくみていきましょう。

転職に有利な時期は3~4月と9~10月!その理由と根拠

転職に有利といわれる時期は1年に2回あり、「3~4月」と「9~10月」です。その理由と根拠について説明していきますね。

有利なタイミングを知っておくことは転職を成功させる上でとても大切なことなので、しっかり理解しておきましょう。

3~4月と9~10月が有利な理由は「企業の決算時期」

「3~4月」と「9~10月」が転職に有利な理由は「企業の決算期」が関係しています。

「決算」とは、企業が「今期はどのくらい利益を出すことができたのか」「前期と比べて資産や負債がどのくらい増減したのか」を知るために、1年間の企業活動を決算書にまとめることです。

この決算について、日本企業の多くは「3月」を決算期としています。その上で一年間を「上半期」と「下半期」に2等分して考えますので、「4月〜9月=上半期」「10月〜3月=下半期」ということになりますね。

この上半期・下半期それぞれのスタートに合わせて、人事異動などの「人の入れ替わり」が多くおこります。

それを見越して、上半期のスタートである「3~4月」、下半期のスタートである「9~10月」に求人が多く出されるという理屈になっています。

実際に、就職先としても人気の高い、日本の大手企業の決算期を確認してみましょう。

POINT・全日本空輸(ANA)・・・3月決算
(参考:ANAグループ|決算短信

・ソフトバンクグループ・・・3月決算
(参考:ソフトバンクグループ|決算説明会・財務・スケジュールについて

・味の素・・・3月決算
(参考:味の素|財務ハイライト

このように、日本を代表する企業でも「3月決算」を採用している企業が多いことがわかると思います。

3月決算の次に多いのが「9月決算」の企業ですが、こちらも上半期・下半期の時期が入れ替わるだけで、求人が多く出される時期は3月決算の企業と変わりません。

今回は3社のみ取り上げましたが、自分の気になる会社があればホームページを調べてみるのもおもしろいですよ。

転職に有利なタイミングと不利なタイミングの違い

それでは、転職に有利なタイミングと不利なタイミングによって、どのような違いがあるのかを考えてみましょう。

基本的には、タイミングの違いで次の2点に差が出てきますよ。

  • 出回る求人の数
  • 企業側の採用意欲

まず一つ目の「出回る求人の数」ですが、これは先ほど説明した通りですね。

求人が多いということは、自分の選べる選択肢が多いということ。

選択肢が多いほうが、自分の希望に近い会社と出会える可能性が高まるだけでなく、気持ちの上でも余裕を持って転職活動を進めていくことができます。

逆に求人が少ない時期に転職する場合、なにかを「妥協」して会社を選ばなくてはいけない可能性がより高まってしまいますよ。

そして、時期によるもう一つの違いが「企業側の採用意欲」という点。3月や9月は年度の切り替えに伴って、新規事業がスタートしたり退職者が出たりと企業側にとっても「人が欲しい時期」といえます。

このような企業の採用ニーズが高いタイミングに応募することで、より採用の可能性を高めることが可能です。

転職するなら3~4月と9~10月のタイミングがベスト

ここまで説明してきた通り、転職をするなら「3~4月」と「9~10月」がベストなタイミングです。

もちろん「この時期以外はまったく求人がない」というわけではありませんが、「転職に有利な時期がある」ということはしっかり覚えておきましょう。

そして早めの準備も大切ですよ。「3~4月」を狙うなら1月頃から、「9~10月」を考えるなら7月頃からしっかり準備を進めておいてくださいね。

転職に有利な年齢は20代!有利な理由と30代以降の転職対策

「時期」の次は、転職に有利な「年齢」についても確認していきましょう。

冒頭でもお話ししたように、転職では基本的に若いほうが有利です。30代と20代なら、ほとんどのケースにおいて20代のほうが求人も探しやすく、選考もスムーズに進みやすいのが事実です。

とくに未経験の業界へ転職する場合は、圧倒的に20代のほうが有利です。

この理由をこれから詳しく説明していきますので、今20代の人は「なぜ有利なのか?」しっかり理解しておいてくださいね。

また、「30代以降の人はどのような対策が必要になってくるのか?」もお話ししていきますので、そちらも併せて確認しておきましょう。

20代が有利な理由は「若さ」と「吸収力」

20代が転職で有利な理由は、ズバリ「若さ」と「吸収力」です。

自分自身が若いうちは気づかないかもしれませんが、「年齢が若い」というのは、それだけで企業にとっては非常に魅力的に映ります。

20代といった若い人は、30代や40代の人と比べて今後の仕事人生も長いですよね。

つまり、20代はこれからの企業を背負って立つ中心的な存在として、長い年月をかけて教育・業務経験を積ませることができるということです。

その「将来性」に企業側は大きな期待をかけて、若い人材を積極的に採用しています。

そして若いほど「吸収力が高い」というのも、企業にとっては大きな魅力の一つ。みなさんも、

「勉強は若い時ほど頭に定着しやすい」という話を聞いたことはないでしょうか?

それと同じで、仕事でも若い人のほうが新しい知識をどんどん吸収していくことができます。

とくに時代の流れが早い現代においては、若くて吸収力のある人の市場価値はとても高くなっていますよ。

20代は早く決断するほど転職では有利になる

20代の転職は「早く決断するほど有利」という点も押さえておきましょう。

20代が転職で有利な理由は上で説明した通りですが、もっと具体的に言えば、「26歳よりも25歳」「25歳よりも24歳」のほうが有利に転職活動を進められます。

「業務経験があったほうが有利になるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、業務経験やスキルといった部分を求められるのはもう少し上の年代からになります。

研究職などの専門的な職種については話が変わってきますが、ほとんどの場合で「20代なら1歳でも若い人のほうが有利」といえるでしょう。

そのため、決断を先延ばしにするのはダメですよ。1年でも早く決断して、貴重な時間を無駄にしないよう気をつけてくださいね。

POINT

もちろん30代以降でも転職は可能

さて、ここまでの内容をみると「じゃあ30代以降の転職は難しいの?」と思うかもしれませんが、もちろん30代以降でも転職は可能ですよ。

ただし30代の場合は、20代とは求められる要素が少し違ってくる点に注意が必要です。

30代でもまだまだ若い年代であることは間違いありませんが、単純にポテンシャルの部分だけで押しても内定をとることは難しいといえます。

なので、30代だからこそアピールできる、20代の人が持っていない強みを活かして選考に臨んでいきましょう。

30代以降でもスムーズに転職するための対策

30代以降の人はスムーズに転職するために、次の3つの対策を行なっていきましょう。

  • これまでの経験を活かせる仕事を選ぶ
  • 自分のスキルや実績の「棚卸し」をしておく
  • 引き継ぎは十分に時間をかけて行う

30代は20代と違って、「経験」や「実績」といった部分も面接の中でチェックされるようになります。

そのため、未経験の業界よりも、これまで働いてきた経験を活かせる仕事を選ぶほうが断然就職はしやすくなりますよ。

そして実際に転職を始める前には、自分のスキルや実績の「棚卸し」もしっかり行なっておきましょう。

「自分はこれまでどういう経験を積んできたのか」「どんなスキルを持っているのか」を理解して、それを仕事選びや面接に活かすことで転職をスムーズに進めるはずです。

また、30代の場合は「退職前の引き続き作業」にも気をつけなければいけませんよ。

30代であれば部署の中での重要なポジションについている人も多いので、十分に時間をかけて引き続きをしなければ思わぬトラブルを招いてしまうこともあるでしょう。

以上の3点が、30代以降でスムーズに転職するための対策です。30代でも転職は決して難しくありませんので、自信を持って行動に移していってくださいね。

転職時期を決めた後は具体的な流れも覚えておこう

転職に有利な時期について考えた後は、転職の「具体的な流れ」も確認しておきましょう。

なぜなら、転職する時期を決めたら、そこに向けての「準備」が必要になるからです。

「思っていたよりも転職の準備に時間がかかってしまった…」という人は多いので、無理のないように計画的に進めていくことが大切です。

「先が見えない暗闇の中を歩く」というのは想像しただけでも怖くありませんか?

それと同じで、転職活動も具体的な流れが頭に入っていれば、心に余裕を持って進めていくことができますよ。

転職を決断してから次の会社で勤務するまでの流れ

それでは、転職を決断してから次の会社で勤務するまでの流れを具体的にみていきましょう。

①転職を決断
②いつ転職活動を行うのか?転職時期を決める
③どんな業界・企業に転職したいのか?転職の目的を再度確認
④自分になにができるのか?自分の経験やスキルの棚卸し
⑤求人サイトや転職エージェントに登録して、求人を探す
⑥希望する会社を見つけたら、応募書類の作成・提出
⑦面接試験を受ける(複数回)
⑧内定、条件確認
⑨現職場に退職の意思を伝え、引き続きを行う
⑩新しい職場へ

流れをプリントアウトして、今やるべきことをチェックしてみよう

流れは把握できたでしょうか?上の流れをプリントアウトして、今やるべきことをチェックしてみてくださいね。

もしも今「①転職を決断」の段階だったら、次は「②いつ転職活動を行うのか?転職時期を決める」です。

こういった感じで、今自分はどの段階まで進んでいるのかを全体の工程から考えていければ、不必要に焦ることなく転職活動を進めていけますよ。

転職活動に焦りは禁物です。

一つ一つで大丈夫ですので、「今やらなければいけないこと」「次に準備すべきこと」について、その都度確認しながら確実に進めていきましょう。

まとめ

本記事のポイントのまとめです。

  • 転職を有利に進める上で大切なポイントは「時期」と「年齢」
  • 転職に有利な時期は「3~4月」と「9~10月」です。その時期は求人の数が多く、企業の採用意欲も高い傾向があります。
  • 転職に有利な年齢は「20代」です。20代が有利な理由は「若さ」と「吸収力」が評価されているからです。
  • 30代以降の人がスムーズに転職するための対策は3つです。「これまでの経験を活かせる仕事を選ぶ」「自分のスキルや実績の棚卸し」「引き継ぎは十分時間をかけて行う」
  • 転職の時期を考えた後は、具体的な流れを確認して、計画的に準備を進めていきましょう。

今回は転職初心者に向けて、転職に有利なタイミングについて紹介してきました。

転職は人生の中での大イベント。失敗しないために慎重に準備を進めていくことは大切ですが、今回お話しした「時期」や「年齢」を意識することでよりスムーズに転職を始めることができますよ。

最後に紹介した転職全体の流れの中で「自分はどの位置にいるのか?」を確認して、次にやるべきことを考えていってくださいね。