こんにちは&こんばんは!とっとこランサー(@tottokolancer )です!
今日は2月に趣味用として購入した【S15シルビア】についてのお話です。
S15シルビアといえば、歴代シルビアの中でも最新モデルですよね。
しかしそんなS15シルビアも新車発売からすでに20年以上経過しているので、
「購入したいけど故障が怖い…」
「よくある故障箇所とかないのかな?」
と感じている方も多いと思います。当然ながら私もそうでした。
私自身かれこれ7台程度の車種を乗り継いでいる「自他ともに認める車マニア」であり、チューニングを行うショップで4年程度の勤務経験があります。
その経験から言えるのは、S15シルビアには
「泣き所ともいえる故障箇所」
がいくつも存在しているということです。
正直20年も前の車なので挙げればキリがないほど弱点はあるのですが、今日お話するのは「S15シルビアによくある故障箇所ベスト7」です。
要は「所有したあなたも経験する可能性が高い故障」だということですね…!実際に私の車両で修理した写真を使いながらお話するので、よかったら参考にしてください。
所有するS15シルビアのスペック
本題に入る前に、私の所有する車両内容を簡単にご紹介しておきます。そのほうが故障箇所もわかりやすいですしね。
「とにかく故障箇所だけ知りたい」という方は遠慮なく読み飛ばしちゃってください。
というわけで本題に入ります。
S15シルビアで
よくある故障箇所ベスト7
私の車両は納車して間もないのですが、「故障して当然の箇所」は既に改善を施しました。なぜなら走行中に故障すると重大な事故につながる可能性もあるからです。
おそらくこの記事を読まれている方もそうだと思いますが、故障するなら事前に交換しておきたいですよね。
そこで、私が改善策を施した「S15シルビアでよくある故障箇所ベスト7」をまとめておきたいと思います。
購入を検討中の方は納車前に確認しておくのがおすすめです。購入後の方は故障前に改善しておきましょう。
<S15シルビアでよくある故障箇所ベスト7>
- エンジンプラグハーネスの破損
- 助手席上部フロントガラス異音
- モードドアアクチュエーターの動作不良
- バイレベルドアアクチュエーターの異音
- イグニッションコイルの点火不良
- クランクプーリーの破損
- フロントカバーからのオイル漏れ
これらの故障箇所を写真付きでご説明していきますね。
1.エンジンプラグハーネスの破損
エンジンプラグハーネスとは、プラグに繋がっている配線のことです。
インターネット上でも
「S15シルビアは点火系が弱点」
とよく言われていますが、点火系とは、プラグ、プラグハーネス、イグニッションコイルあたりのことです。
その中でもお話しているプラグハーネスは、エンジンの熱による影響をめちゃくちゃ受けやすいです。アイドリングが安定しなかったり、「ブブブブ…」というエンジン音になっていたりする場合は、ここを疑ってみましょう。
プラグハーネスでよくある故障が「コネクタの爪(画像で指差している所)が折れている」というケース。爪が折れているとコネクタをしっかり固定できず、手で簡単に抜けてしまいます。走行中に抜けたら気筒に点火されないので、重大な事故につながる可能性もありますよ。
そして重要なポイントですが、交換したくとも純正新品は基本手に入りません。新車から20年も経過しているので、メーカー生産中止になっている感じですね。
かといって放っておくのは非常にヤバいので、強化ハーネスに交換しましょう。
強化ハーネスで有名なのは「ヤシオファクトリー 天下統一」ですね。ていうかほぼこれしか選択肢はありません。
ヤシオファクトリーはS15チューンでも有名なショップで、実際の商品もかなりしっかりしてました。「強化ハーネス」というだけあって、純正よりも配線が太めです。
17,000円ぐらいで購入できるので、S15に乗るなら即交換しておくべき部品ですね。
2.助手席上部フロントガラス異音
こちらもおそらく大体の方が経験することになります。しかも原因の究明が極めて困難。
異音のイメージですが、「パキッ」とか「カチッ」みたいな感じです。ガラスに何かが接触しているような音で、走行中に段差を乗り越えたり、大きく車体が揺れたりすると頻繁に鳴ります。
私も最初原因が全然わからなくて、天井や内装のパネルを全て外して原因究明を行いました。結果、「フロントガラスモールの硬化による接着不良」だとわかりました。フロントガラスモールはガラスの周りに付いている、黒いゴムのことですね。
ただこのフロントガラスモールを交換するには、フロントガラスを外さないといけないんですよ。正直、異音だけのためにそんな大層な作業なんてしてられない。
そこで改善策を講じました。
方法は至って簡単です。ワコーズとかで販売されている強力浸透型の潤滑油をモールとボディの隙間にガンガン吹きます。大体2日くらい放置すれば浸透して、異音がおさまります。
助手席上部から出る異音はかなり鬱陶しいので、早期要改善の箇所だと思いますね。
3.モードドアアクチュエーターの
動作不良
「モードドアアクチュエーター」とは、エアコンの吹出口を変更するためのモーターです。S15はこの部品がかなり弱いです。無交換ならとにかく交換を推奨します。
こちらは純正品がまだ生産されています(2020年4月現時点では)。壊れるとエアコンのモードを切り替えても足元から風が出なくなります。地味にムカつく故障の仕方です。
上記写真の青いシールが付いている部品がモードドアアクチュエーターですね。取付はネジ2本と非常に簡単。
場所は運転席足元の左側、クラッチの上ぐらいです。
純正品番は「27731-65F01」で、モノタロウの純正部品ページで販売されています。直接アクセスしたい方はこちらへどうぞ。
販売価格5,290円(税抜)とさほど高くないパーツなので、現状故障してなくても部品があるうちに交換しておきましょう。
生産中止になると入手できなくなりますからね。
4.バイレベルドアアクチュエーター
「バイレベルドアアクチュエーター」は、先述したモードドアアクチュエーターと同じくエアコン吹出口を切り替えるためのモーターです。
バイレベルドアアクチュエーターが破損すると「カチカチカチカチ」という音がオーディオ奥から車内に響き渡ります。そして吹出口も切り替わらなくなります。
もし既にその状態に陥っているのであればエアコンOFFで異音が止まりますので、やってみてください。
写真の奥に見えるシルバーの棒がエアコン吹出口を切り替えるためのパーツで、その下にネジで止まっている黒いパーツがバイレベルドアアクチュエーターです。
場所はオーディオの左奥です。助手席のコンソールボックスを外しても右奥に視認することができますが、交換はオーディオを外さないと不可能です。
故障診断したい方はコンソールボックスを外して、シルバーの棒に注目すれば一発でわかります。故障するとエアコンのモード切り替えボタンを押しても一切動かなくなるので。
純正品番は「27736-65F00」で、こちらもモノタロウに売っています。直接アクセスしたい方はこちらへどうぞ。
部品価格は5,000円(税抜)とこちらも新品が安いです。じきに生産中止になってもおかしくないので、早期交換推奨ですよ。
5.イグニッションコイルの点火不良
イグニッションコイルとは、プラグに電気を送るためのパーツです。
プラグはエンジンを点火させるためのパーツなので、イグニッションコイルが故障すると結果的にエンジン自体も不調になります。
「ボボボボボ」とアイドリング時にかぶったような音がする場合、イグニッションコイルを疑ってみたほうが良いでしょうね。
場所はエンジン中央の上部、さきほど触れたプラグハーネスの先にある黒いパーツです。私の車両は六角ネジが付いていますが、純正は10mmのボルトで止まっています。1気筒に1つずつ、計4つありますよ。
S15純正のイグニッションコイルは新品が見つからなかったので、もしかしたら生産中止かもしれません。「純正品しか嫌だ」という方は日産ディーラーで注文すれば手に入るかもです。ただ価格はまぁまぁ高いので覚悟しておきましょう。
私は純正品にこだわりがないので、「どうせならパワーアップに繋がるパーツを付けたい」ということで散々探しまわりました。残念ながら選択肢は2-3社しかありませんでした。
私が選択したのは写真の「ハイスパークイグニッションコイル」というパーツ。matureというショップが2020年に発売したばかりのやつです。こちらから詳細見れますよ。
写真の右がもともと車両についていたイグニッションコイルで、左がハイスパークイグニッションコイルです。特に体感は無かったのですが、ネット上での評判はかなり良いですね。
お値段は38,720円。純正品がAmazonで72,160円(18,040円/本)とめちゃくちゃ高く売っていたので、個人的にはハイスパークイグニッションコイルのほうが断然おすすめです。参考にどうぞ。
6.クランクプーリーの破損
こちらは少し重整備のパーツです。
クランクプーリーとは、エンジンのクランクシャフト(動力を伝えるメインの軸)と繋がっている輪っかです。
こんなやつですね。
シルビアの場合、こちらのクランクプーリーにゴムのダンパーが使われていて、そこが劣化している車両が非常に多くなっています。
クランクプーリーはVベルトを通して、
- パワーステアリングポンプ
- ウォーターポンプ
- エアコンコンプレッサー
- オルターネーター(ダイナモ)
を動かしています。つまり破損すると一撃で走行不能になります。
筆者のシルビアも納車から約8ヶ月でクランクプーリーが走行中に破損し、オイルがエンジンルーム内に噴出。結果、走行中に油圧が下がり、走行不能になりました…。
同じような目に遭わないためにも、中古でシルビアを購入される方は必ずクランクプーリーをチェックしておきましょう。
クランクプーリーのチェック方法は、下記のとおりです。
- 締め付けトルクを確認
- ひび割れがないか
- 前後左右に手で動かしてガタが出ていないか
上記のチェックさえやっておけば、一発走行不能のトラブルは避けやすくなります。
私の屍を超えていってください…。
7.フロントカバーからのオイル漏れ
S15型のシルビアに限らず、SR20エンジンは年数も経過していることから、オイル漏れが至る所で発生します。
中でも特に注意すべきなのが「フロントカバー」です。
こちらですね。
画像中央下のベルトの正面がフロントカバーで、エンジンの下側についています。
シルビアはこのフロントカバーからオイル漏れしてきやすいのです。
そしてこのフロントカバーを治すのに、エンジンのタペットカバー(ボンネット開けて1番目に入る、エンジンのカバー)を開けてエンジン内部のボルトを外し、さらに車両下側のオイルパンをめくってボルトを外し、その上でエンジンクレーンで吊らないと作業できないのです…。
つまり工賃は高額。ざっくり12-18万円。
中古でシルビアを購入する際は、フロントカバーからオイル漏れしていないか、必ずチェックしておきましょう。
S15シルビアは
「修理できる環境」がある人向け
ここまで触れてきたように、さすがに20年も経つと面倒な故障がわりと多いです。大きく壊れるわけじゃなく、ちょこちょこ意味不明なところが壊れる感じですね。
なので購入を検討しているなら
「修理できる環境があるかどうか」
は必ず確認しておいたほうが良いです。
シルビアは基本的に触りやすい車なので自分で修理できるのがベストですが、それが難しければシルビアに詳しい修理工場を探しておくのがおすすめ。そういう環境があると安心感も違いますしね。
故障箇所は多いですが、S15シルビアはすごく面白い車です。乗っても楽しいし、修理しても楽しいです。
好きな車でカーライフを楽しんでくださいね。当記事の内容が参考になれば嬉しいです。